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エクセルで相関係数のp値を出す




エクセルでは相関係数のp値がでない|どうやって計算するのか?


学生などから統計処理についてよく受ける質問を取り上げてみたいと思います.

「エクセルで相関係数を出したんだけど,それが有意かどうか? っていうかp値が知りたいんですけど」

というものです.

たしかにエクセルには相関係数のp値を算出したり棄却限界を示す機能はありません.

私も以前は,エクセルで相関係数を算出した場合,それが有意かどうかは「相関係数の棄却限界の表」みたいなのを利用していました.
もしくはSPSSを使うとか.

でも,そんなに苦労せずに相関係数の棄却域を算出できますので,ご参考までに.


以下の記事を読んでも不安がある場合や,元の作業ファイルで確認したい場合は,
このリンク先→「統計記事のエクセルのファイル」から,
「効果量をエクセルで算出する」
のエクセルファイルをダウンロードしてご確認ください.

 

では早速,例を示しながら見ていきましょう.
以下の様なデータがあったとします.

ボールを投げる力「遠投力」と,腕っ節の力「握力」に相関がみられるかどうか
を調査したものです.


散布図を見ても,どうやら関連性がありそうですね.

では,このデータから相関係数を算出してみます.


以下のように,

=PEARSON(A2:A13,B2:B13)


というものを入力して「r」値を算出しました.
D列2行目に「0.597875」と出ています.


ではここからが本題です.

次に,以下のようにしてt値を出すのです.

=D2*SQRT(12-2)/SQRT(1-D2^2)



今回の例のセルには,上記のように入力しています.
何を入力しているのかというと,

=相関係数 × SQRT(N数 − 2) ÷ SQRT(1 − 相関係数の二乗)



そして最後にこの「t」値を使って,

=TDIST(D4,10,2)


というように入力したら「p」値が出てきます.

これも少し解説しておくと,以下のようにな関数入力になっています.


=TDIST(t値,10,2)

「10」というところは,自由度のことでして.今回は相関係数のp値算出ですので,

N数 − 2

である「10」を用います.
(相関係数の計算法ですので,そういうもんだと思って聞いてください)


一番最後の「2」は尾部です.
両側検定にしたいので「2」を入力しています.

なお,負の相関などでt値がマイナス値になる場合,それを絶対値にしてから算出してください.

つまり,上述した式を以下のように,

=TDIST(ABS(D4),10,2)

で算出します.

すると,
めでたくエクセルで相関係数のp値が出てきました.

これも一度作り方がわかってしまえば,オートフィルなんかで一気に作業をすることもできますね.

後日,
エクセル散布図で相関係数・相関係数を確認する便利な方法
を紹介しましたので,そちらもどうぞ.

相関係数そのものを解説しています.
相関係数を理解する|ウィキペディアを読んでもチンプンカンプンな人のための解説

学生が卒論で迷うことの多い,「統計処理」の部分の書き方も紹介しています.
卒論・修論のための「統計」の部分の書き方

論文の書き方自体も取り上げました.
【やってはいけない】卒論・ゼミ論を1日で書く方法
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その他,こういう怪しいブログ記事よりも,ちゃんと勉強になる書籍もご紹介しておきます.
詳しくは,
独学で統計処理作業をスキルアップさせるための本
を御覧ください.

外部サイトにも有益なリストがあります.こちらも参考にしてください.
大学生が自力で「統計学」の勉強をするための良書10選
1ヶ月で統計学入門したので「良かった本」と「学んだこと」のまとめ