2012年6月25日月曜日

独学で統計処理作業をスキルアップさせるための本

昨年からボチボチと 「統計」 に関する記事をいろいろと書いてきました.
統計学の原理原則や基礎的な考え方を紹介するのではなく(そんなサイトやブログは山ほどあるから),

「で,結局どういう作業をすればいいの?」

とか,

「統計処理ってSPSSとかExcelの関数や分析ツールに任せてるけど,そもそもどんな計算をしているものなの?」

という極めてマイナー,且つ,どうでもいい興味を持った人の視点で書いてきました.

でも,こういう需要は少ないながらもあるようでして,Googleとかで統計処理に関する適当な検索をかけたら私のブログのページが上位に上がってきます.
少し怖いです.


さて,
今回はそんな 「統計学に少しだけ興味があるけど,本格的には勉強したくない」 という人のために,“ほんのり甘い” 味がする統計学の書籍を紹介します.

食前酒用の度数の低い甘いワインみたいな本です.
調子にのってたくさん飲んだら気持ち悪くなるヤツ.
アレです.

ちゃんと書籍にあたって勉強すればいいものを,
「 Excel 多重比較 」
なんていう検索ワードをGoogleにかけ,私のブログで付け焼刃的な勉強を企む人でも分かりやすい本です.

まずは,
【 基礎勉強編 】
Jerry R. Thomas, Jack K. Nelson 著 田中喜代次・西嶋尚彦(訳) 『身体活動科学における研究方法』
統計処理だけでなく,研究方法も掲載されているので身体活動科学・スポーツ科学をやっている人は持ってて損はない.
t検定の式や統計学の考え方など,このブログではバッサリ割愛してるけど本当は知っとかなきゃいけない基本的な部分をおさえることができる.

永田靖 著 『統計的方法のしくみ』
内容としては上記の『身体活動科学における研究方法』における統計学の部分の上位版的な存在.舐めてかかると痛い目にあう.腰を据えて読む必要がある,正統で硬派な本.

石村貞夫・石村光資郎 著 『入門はじめての分散分析と多重比較』
まさに “Excelで多重比較する” ためにあるような本.読みやすい.

永田靖・吉田道弘 著 『統計的多重比較法の基礎』
上で紹介した『入門はじめての分散分析と多重比較』の上位版.Tukey法やSteel-Dwass法の手計算について詳しい.石村先生には悪いが,上のやつ買うくらいならこの本で十分だと思われる.

石村貞夫 著 『すぐわかる統計処理』
タイトルのようにすぐに分かるわけではないが,なんとなく分かった気になれる優れもの.ここで取り上げる “ほんのり甘い” というコンセプトからすれば名著.
よく院生や助手のところに舞い込む“不思議”で,“無理難題” なデータ分析作業を切り抜けるためにも,一冊あれば安心感が得られる「お守り」.

石村貞夫・デズモンド・アレン 著 『すぐわかる統計用語』
統計処理の辞書みたいな感じ.分からない用語が出てきたり,ド忘れした時に便利.持っといて損はない.けど,それ以上でもそれ以下でもない.無きゃ無いで大丈夫なんだろうが,私は結構助けられている.

松尾太加志・中村知靖 著 『誰も教えてくれなかった因子分析』
因子分析を知るためにはうってつけ.とりあえずSPSSとかで処理してみたものの,どう解釈すればいいのか悩むのが因子分析や主成分分析.学会や論文投稿での「因子分析について突っ込まれたらどうしよう」という不安と恐怖におさらばできる.

D・ロウントリー 著 『涙なしの統計学』
面白くないけど,大事なことを書いているので読んでおこう.実は名著として有名とのこと.なおさらしっかり読んでおこう.

浜田知久馬 著 『学会・論文発表のための統計学』
これもそう.退屈だけど重要なことを書いてある.修行だと思って読む.


次に,
【 んな事よりSPSSでの使い方を教えてくれればいいんだよ!編』 
岸学 著 『SPSSによるやさしい統計学』
一般的な自然科学系研究をする人にとっては,おそらく現時点で最強.「そもそも操作方法が分からない」という場合は,以下に紹介する書籍との組み合わせで行こう.

石村貞夫 著 『SPSSによる分散分析と多重比較の手順』
今は第4版が出ている.質も低いが敷居も低い.良いのか?悪いのか?と聞かれたら,その人のレベル次第だと言うしかないSPSSの「分散分析&多重比較マニュアル」といった趣旨の本.
とにかく作業しなきゃならない人にとっては,上記の『SPSSによるやさしい統計学』と合わせて読めば鬼に金棒.

川本竜史 著 『SPSSとExcelによる統計力トレーニング』
具体的な事例の数々.そのおかげでイメージしやすい.スポーツ科学系の人にとっては大変有益.重回帰分析や判別分析,クラスター分析まで丁寧に解説してくれているので,何かと重宝する.

小塩真司 著 『SPSSとAmosによる心理・調査データ解析』
浅く広い.それに分かりやすい.私としては,卒論の統計処理で学生への貸し出し頻度が高い本.とっかかりには最適かもしれない.
「Amosって何ですか?」っていつも聞かれるので,「怪物に変身できる仲間だよ」って答えることにしている.

加藤千恵子・盧志和・石村貞夫 著 『SPSSでやさしく学ぶアンケート処理』
なんでもそうなんですが,似たような本なのに「なんであっちの本には載ってて,こっちの本には載ってないの?」と困るもんだから,アレコレと複数買わないといけないのがHow to系の本ですよね.
ほぼ上記で紹介した本と同様な内容なのだが,これは「複数回答のデータ入力の方法」というのが載ってて助かった.それ以外は「おまけ」.

石村貞夫 著 『SPSSによる統計処理の手順』
これも1つ上で紹介した本のような立ち位置.一番最初に紹介した『SPSSによるやさしい統計学』の操作マニュアルみたいなものかな.

内田治 著『すぐわかるSPSSによるアンケートの調査・集計・解析』
これまた“そんな立ち位置”として購入した本.他のやつでは書いていない便利なことを書いておるんです.学生が卒論で実験せずにアンケート調査に“逃げる”からってんで購入した本シリーズの一つです.

では,
いい本が見つかったらまた紹介しますね.