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井戸端スポーツ会議 part 47「森友・加計学園問題と野球特待生」

森友とか加計について,やや無理矢理感がありますが,この話題を「スポーツ」で論じてみます.

その前に,この件に関する本日のニュース.
加計文書、前次官が感じた圧力 「黒を白にしろと」(朝日新聞2017.5.25)
加計(かけ)学園の計画を巡る文部科学省の文書が発覚して1週間あまり。同省の官僚トップだった前川喜平・前事務次官(62)が25日、公の場で舞台裏を証言した。(中略)「文科省の中で作成され、幹部の間で共有された文書で間違いない」。冒頭の発言で真っ先に切り出したのは、「総理のご意向」などと伝えられたと記された文書の真偽だった。「あったことをなかったことにはできない」などと会見を開いた理由を述べた。
前川氏がどこまで本当のことをしゃべっているのか定かではありませんが, 政治家の圧力によって「黒いものを白にしろ」と言われること自体は普通のことのはずです.
一般的に,こういうのを「政治家の口利き」と呼び,「民主主義の裏技」とされています.

政治家が,ましてや総理大臣がなんらかの形で意向を示せば,官僚としてはそれに従わなければ自身の身の保障が危うくなりますから「忖度」するものです.
通常,これはバレないように行われます.というか,普通はバレるようなものではありません.関係者が口裏を合わせればバレようがないものだからです.実際,前川氏も上記記事ではこう述べています.
 「加計学園ありきだったのか」との質問に、前川氏は淡々と答えた。「暗黙の共通理解としてあったのは確か。内閣府でも文科省においても議論している対象は、加計学園のことだという共通認識のもとで仕事している」「口に出して加計学園という言葉を使ったかどうか、そこは使っていない場合が多いと思う」
安倍晋三が「私はそんなこと言っていない」と反論したとして,おそらくそれは事実でしょう.
言っていないことは事実,だけど,何か別の形で「示す」ことによって相手に忖度させることはできます.
繰り返しますが,それが政治家の口利きです.

私が問題にしたいのは,そんなこと,普通の大人なら誰でも知っている「民主主義の裏技」であるにも関わらず,まるで今まで知らなかったかのようにカマトトぶってる連中が多いことです.

これと同じことが展開されたのが,何年か前にニュースとなった「野球部員の特待生制度」です.
本当に知らない人はこちらをどうぞ→■特待生問題(コトバンク)

2007年まで,日本では野球部員の特待生制度は禁止されていました.
でも,それまでにも日常会話として「あいつは野球部の特待生なんだよ」「◯◯君は△△高校に特待生で入学した」というのは普通にありました.
むしろ,当時のニュースによって「え!?  野球部に特待生で行くのって本当はダメだったの?」と知れ渡ったほどです.

それなのに,あたかも野球部の特待生がそれまで存在していなかったかのように,
「なんと!  野球部に入部することを条件に,学費を割り引いて生徒を入学させている学校がたくさんあるようです! まるで人身売買です.信じられません!」
などと騒いでいたメディアが結構ありました.
オイオイ,お前ら・・・,って感じです.
(ちなみに,事件発覚後,野球部の特待生制度は条件付きで解禁になりました.なお,他の種目(サッカーとか)の特待生制度は以前からありました)

今回の森友とか加計の話もそうです.
政治家の口利きは普通の話です.存在していて別に不思議ではありません.
もっと言えば,社会を円滑に進める上で重要なことだと言ってもいいものです.

あとは,劣悪でデタラメな野球部特待生が許されないのと同様,劣悪でデタラメな口利きであれば問題になり,当事者はその罰を受けるべきだという話です.

安倍晋三が罰を受けるようなことをしているかどうかは未だ不明ですが,きちんと調査はしてほしいですね.
安倍晋三としても,「私は無関係」などと稚拙な態度をとらず,正々堂々と政治家をしてほしいものです.
もっとも,根本的な話として,こんな人間が国のトップにいること自体が大問題だと思います.