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センター試験とか入試におけるアレコレ2016

センター試験の追い込みにかかっている人(主に高校生)も多いのではないでしょうか.
一方,こちらはセンター試験をやる方です.試験業務を担当する教職員用の「説明会」が開かれているところも多のではないでしょうか.

ネット上ではセンター試験を受ける側(受験者)や受けさせる側(教師・塾講師)のブログやつぶやきを目にすることがあるかと思いますが,やる側のものは珍しいかと思います.
昨年はセンター試験後にそんな記事を書いたのですが,今年は試験前に書いてみようと考えました.
もし受験生がこの記事を読んだら,もしかすると当日の参考になるかもしれません,という内容をご紹介します.

昨年の記事とそんなに大きな違いはないですけど,なんならその2015年版の記事も御覧ください.
センター試験とか入試におけるアレコレ

試験を受けるにあたって,きっと高校の先生や塾講師から,あーした方がいい,こーした方がいい,といったアドバイスを受けているかと思いますが・・,我々のような試験をやる側からのアドバイスにも耳を傾けてもらえると何かの助けになるでしょう.

(1)試験監督には「センター試験」を知らない人も多い
試験監督もセンター試験を受けてきた人達なのだ,ということでは必ずしもないということです.
私のように,教員になるまで「センター試験ってなんぞ?」という人も多いものです.「多い」というのは曖昧な表現ですが,少なくないことはたしかです.
毎年,「私,大丈夫ですかね.センター試験なんて受けたこともないのに・・」と不安がる新任の先生が必ずいます.
どういう流れで開催されるものか全く知らない試験監督もいますので,そういうつもりで受験してもらうと変なトラブルに巻き込まれにくくなります.
コンビニやスーパーのレジ係も,初心者はスムーズにやれないものです.日本のレジ業務を知らない外国人アルバイトなら尚の事.それと同じように見てもらえると良いかと思います.

(2)試験監督者の言葉は99%事前に決まっている
センター試験用の「監督要領」という監督者がやることを書いた分厚い(約1cm)手引があります.それが全ての試験監督者に配られ,そこに書いている通りの言動をするようになっています.
なので,特に試験会場の教卓あたりに立って指示を出す監督主任と呼ばれる人の言葉は,一言一句全て監督要領に書かれているものを読み上げていることになっています.
たまに,「なんだかヘンテコリンな表現の言葉を使うなぁ」と思う箇所もあるかもしれませんが,それはそのようなセリフが監督要領に書かれているからです.
よほどセンター試験に慣れている人でない限り,恐ろしくて “自分の言葉” で指示を出すことはありません.

(3)解答用紙の回収時,受験生が手渡ししてくれると助かる
これは昨年の記事でも書いたことですが.
解答時間が終わり,その解答用紙を回収する際のことです.
あらかじめ受験生には「解答用紙に触れないで」とアナウンスしておりますので,受験生は監督者が解答用紙を回収する際は不動になります.受験生も緊張しているでしょうから,そうなって当然です.
でも,中には気を利かせてくれて解答用紙を手渡ししてくれる受験生がいます.こちらとしてはあれが実は結構助かるのです.
解答用紙を机から取り上げるのはかなり面倒で,机の端に寄せてつまみ上げたり,指に息をかけて摩擦係数を増やしたりして頑張ります.
ところが,受験生によっては体を机にかなり接近させていたり,机の端に筆記用具を置いていたりと,それが邪魔で回収が困難な場合があります.
中には一つの机に3人以上座らせている試験場もあり,そんなところに体をねじ込ませながら回収するは一苦労.
そんな時,こちらの作業の都合を知ってか解答用紙を手渡ししてくれる受験生がいます.そんな受験生には,私はおもわず「ありがとう」と優しく声をかけてしまいます.監督者の心象が高くなること間違いありませんので,「何かのトラブル」の際には微妙な“こと”になるかもしれません.
受験生の皆さん,世渡りは大事ですよ.
(ただし,解答用紙配布時には手を出して受け取らないでね)

(4)風呂には入ってこよう
上記とは逆のパターン.
受験生の中には,最後の追い込みを頑張り過ぎたのか,何かの願掛けなのか,試験当日までに長らく風呂に入っていない人がいるようです.
「俺,このセンターが終わったら,風呂に入るんだ.風呂に入って,これまでの苦労と一緒に垢を流し落とすんだ」って考えているのかもしれませんが.
はっきり言って臭いんです.
「こんな奴,落ちればいいのに」そう思いながら監督をする監督者もいるかもしれません.
このような受験生の周りに座る他の受験生からも「臭い」というクレームが入って一悶着.そんなことは避けたいと思っている監督者は多いですから,何かのトラブルの時にはマイナスに働く“こと”があるかもしれません.
センター試験前には,しっかりお風呂に入ってきてください.

(5)冬だし寒いんだし,胸元の開いていない服を着てきなさい
女子のなかには,異様に胸元が開いた服装でくる受験生がいます.たぶん,普段の受験勉強で着ている服装と同じもので挑もう,そう考えているのでしょう.
だけど,あまりに露出激しい服装で来られると,こっちも困ります.
こちらはカンニングしていないかどうか,解答用紙だけでなく机・席周辺や受験生の服装も観察するものです.
それを知った上でカンニング対策として着ているのであれば大した策士ですが,だからと言ってこちらも見ないわけにはいきません.我々も仕事ですので(キッパリ.
なんとも言えない罪悪感を感じながら監督をすることになります.
さらには際どいスカートを履いてくる者もいたりして,これまた太腿を見ないわけにはいかないので(以下略
そんなに嬉しいものではありませんので,露出の多い服装では来ないでください.

(6)後ろの方でリフレッシュ体操するくらいは許して
私はいつもセンター試験に限らず試験監督の時にはやっています.私以外にも同じようにやっている人は多いようですよ.
どういう事かというと,受験生は前を向いて(同じ方向を向いて)問題を解くのに必死ですよね.すると,試験場の後方にある程度スペースがあれば,そこで受験生に気づかれないようにいろいろな事ができます.
そのスペースで少なくない試験監督は体操をしているのです.
暇つぶしにもなりますし,1時間くらいずっと動かずじっとしているのは非常に大きなストレスになりますから.なのでリフレッシュするための体操をするわけです.
その様子を前から見たら結構シュールですよ.
大勢の若者がエンピツ音だけたてて黙々と解答している中,その一番後ろではスーツ着たオッサンが静かに,そしてダイナミックにラジオ体操しているのですから.
一番前でじっと座って見つめる監督主任にとっては,さながら「笑ってはいけない〜〜」のように,笑いをこらえる状況になるのです.
受験生の皆さん,受験中はときどき後方を見てみてください.体操している監督者がいるかもしれません.くれぐれもカンニングに間違えられない程度に覗いてみてください.