投稿

12月, 2015の投稿を表示しています

注目の投稿

学生の成長をみる

大晦日ですね. 今年最後の記事ですが,ゆるい記事をひとつ書いていこうと思います. ゆるい軽い短い記事を増やすつもりだったのに,結局記事数は増やせませんでした. 来年への課題です. さて.今年の帰省は新幹線でした. 本当なら飛行機での移動が楽なのですけど,今年の帰省は年末の予定が読めなかったので12月まで引っぱっていたこともありチケットをとれず,昨年に味をしめた新幹線「グリーン車」も予約が間に合わず,最初から最後まで自由席ということに. 安いには安いのですけど,案の定,新幹線は立ち乗りということになってしまいまして. ところがそこは長距離移動については百戦錬磨の私です. うまいこと位置取りをして,キャリーケースに座って読書しての東京・岡山.それほど疲労せずの到着です. そこからは四国方面に特急列車で向かうのですが,愛媛で仕事をしている弟の自動車と合流するため松山行の特急「しおかぜ」に乗ります. そこで偶然にも前任校の卒業生と一緒になりました. メールに「先生,今,しおかぜ乗ってません?」って.で,慌てて辺りを見回したらその卒業生がいたのです. 聞けば「私も帰省です」とのこと.彼女は実家が松山なので,同じ特急しおかぜに乗っていたのですね. 感慨深いものです. 彼女は私が大学教員を始めて最初の学生です. 18歳の学生ってこんなものかなぁ,って思いながら暗中模索していた頃を思い出します. 当時のブログ記事を読み返してみました. ■ 但馬國:ローアングルで写真を撮る日々 に出てくる,ローアングルでの写真を依頼してきたのがその卒業生です.当時1年生.懐かしいですね. もう6年になるのかぁ. この人には学内のいろいろなイベントの学生スタッフをお願いすることも多かったので,よく知る間です. いやいやながらも引き受けてくれる頼れる人でした. いやぁ~,いい女になったなぁ,って.ホントそう思います. 決して厭らしい意味ではありませんよ. たしかにエロい雰囲気は当時のまま保っていたものの,大人になったし,話し方もすっかり社会人です.こうやって成長していくんだなぁって微笑ましくなります. いい男になった奴もいます. 今年,私の研究室で卒業論文を書いている学生です. 3年生までは目立たなかったし,成績も悪いし単位もギリギリ

そう言えば,自転車取り締まり強化の影響はどうなった?

イメージ
今年の6月1日から自転車運転の取り締まりが強化されていました. その時の動きはコチラを参照→ 警察庁:自転車運転者講習制度 (PDF) なのでその影響について記事にしたこともあります. ■ 自転車の取り締まり強化後,一週間 そこでの話を要約すれば, 「道路整備をせずにルールだけ強化しても無意味だし,むしろ,自動車・バイク側の意識が変わっていないのに自転車を車道に出すよう指示したら,逆に重大な死亡事故が増えるのではないか?」 ということを書いておりました. 先日12月21日に,平成27年11月末時点での交通事故統計が出たこともありますので,ここらへんで一度自転車の取り締まり強化の影響を見てみたいと思います. その統計資料があるページはこちら→ 警察庁:交通事故統計(平成27年11月末) この11月末時点での統計を見てみますと,やっぱり6月の記事で気にしていた結果となっていましたので図表を見てもらいながら説明していきます. まずは全体像から. 以下は今年の11月末時点での各月の交通事故統計です. 自転車取り締まりを強化した6月以降を青字にしています. これは交通事故全体の統計ですので,ここから自転車事故のことを推測することは難しいことを差し引いて見ることになるのですけど. 上図を見て真っ先に目に留まるのは「6月の死者数の大幅低下」であり,続く「8月の死者数の大幅増加」ですね.なんだか6月に始まった取り締まり強化の影響のようにも思えます. ですが,実は死者数が前年同期比で±30くらいするのは通常の揺れ幅のようで,例えば昨年の交通事故統計から作った以下の図を見ても分かるように(青字のところが26年度データと,その前年同期比), これは特別な増減ではないことがうかがえます. 逆に,今年は交通事故における死者数は全体的には前年と同じように推移している年と言えるでしょう. さて,では今年の死亡事故の内訳ですが,以下のようになっています. 「状態別」というのは,死亡した人が「◯◯している状態の時の」という意味です. このデータはここ数年ずっと変化ありません.死者数のほとんどが自動車乗車中か歩行中かなのです. 今回気にしているのは「自転車に乗っている時」なのですから,そこに焦点を当てたデータがこちら. 自転車乗用中

俗物が俗物から遠ざかるには

前回の記事 ■ 俗物が俗物らしくしちゃダメ に対し,反論したい人もいるでしょう. 「お前,何様のつもりだ.そう言うお前だって,福田恆存を引いて俗物を語ってるんだから,立派な俗物じゃないか」 と,そんな声も聞こえてきそうです. そうです.そうなんです. が,その記事でも書いたし福田恆存も「俗物論(国家とは何か)」で言っているのですが,「 人は皆,俗物 」なんですよ. あとは, どれだけ自分が俗物であることに素直か ,そこが問われるのです. これはちょうど,「男は皆浮気するもんだ」という主張に対し,「お前,何様のつもりだ.そう言うお前だって男だろ」と反論したい人が現れるようなものなのですが,そんな反論に意味がないのと一緒です. 男は皆(女もかもしれないけど),何かしら浮気心があるものです.そこで問題となるのは,どんな浮気をしてしまうのか,どこまで浮気してしまうのか,といったことに醜さや劣悪さがあるということでして. 前回の記事で言いたかったことに戻れば,俗物にも「素直な俗物」と「醜い俗物」があって,昨今の様子を眺めてみれば,保守派,ネトウヨとされる人々に散見されるのは「醜い俗物」だということなのです. 奥さんや彼女がいるのに,他の色っぽい女性や艶のある素振りをする女性を前に,クラクラっときたり遊び心が芽生えることがあります.「あぁ,俺って浮気もんだなぁ」と感じながらも,しかし(私のように)実際には何もしない男もいるでしょう.これは素直な浮気者です. 自分に浮気心があることを認めつつ,それをコントロールしているわけです. その一方で,そんな女性を前にしたら我慢できずに途中下車,だけならまだしも人生の終着駅まで向かう浮気者もいます.これが醜い浮気者です. しかもこういう浮気者はえてして「そもそも男は浮気するもんだ.その武勇伝が男の勲章なんだよ」なんて言い出すこともあります.そういう居直った態度の恥知らずな男が,昨今の保守派,ネトウヨだと言ってよいでしょう. 俗物であることを恥じず,俗物であることに居直るというのはこのことを指します. これはちょうど,『大衆の反逆』でオルテガが述べている, 愚か者は,自分を疑ってみない.自分が極めて分別があるように思う.ばかが自分の愚かさのなかであぐらをかくあの羨むべき平静さは,ここから生まれる

俗物が俗物らしくしちゃダメ

イメージ
最近出た本に, 適菜収 著『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』 というのあるんですけど,その第一章が「なぜ保守派はバカが多いのか」なんです. 思わず声を出して笑いました. 私も最近そんな記事を書いていたからです. ■ なぜ右翼・保守的な言動をする人にバカが多いのか なんというシンクロ. さすがに適菜氏は丁寧に考察されていて,なぜ右翼・保守的な言動をする人がバカなのか詳細に論じられています. で,なぜ保守にバカが多いのかというところですが,それは逆なんです. 適菜氏も論じているところですが, 保守にバカが多いのではなく,バカだから保守になるのです. 私はこれについて,「 バカだから保守を“選ぶ” 」という表現を使わせてもらいたいと思います. “選ぶ”とはどういうことか,ってのを書いた記事が, ■ コピペ・レポートの行き着く先は なので,そっちも暇だったら読み返してみてください. もちろんちゃんとした「保守」の思想を抱いている人もいるのですが,街角でよく目につく保守,「この人は保守だ」と評価される人,そうして保守派から持ち上げられる人の大多数には「残念な人」が多いというのが現状です. その大ボスが現在の日本国首相です. さて,この「バカだから保守を選ぶ」という点について,非常に興味深い考察をされている本を見つけました. 福田恆存 著『国家とは何か』 の冒頭に「俗物論」というのがあります. 「あ〜,これこれ.これが言いたかったんだよ」って感じでめっぽう面白く,何度も読み返している今日このごろです. これを読んでいて思うのは,現在の日本の保守派っていうのは,つまりは「俗物」なんだな,ということです.それも酷く劣悪な俗物です(福田氏によれば,ほとんどの人は俗物であり,あとはどれだけ俗物であることに「素直」なのかが問われるのだという). なので,「現在の日本の保守派にはバカが多い」というのは下品な言い方になりますので,もっとやさしく,「 現在の日本の保守派には俗物が多い 」と表現したほうがいいのかもしれません. 結論から言えば,福田氏が言う俗物とは 「世間に対する自己の関係に不安を感じ,その不安を解消するために,劣弱な自己を拡大修飾して現実の自己以上の見せかけをつくろうとする」 人のことだそうです.

大学教員になる準備

イメージ
大学教員になる方法とは これまで,「大学教員になる方法」のシリーズを書いてきました. 一番読まれているのは, ■ 大学教員になる方法(強化版) です. 他にも, ■ 大学教員になる方法 ■ 大学教員になる方法「感想版」 ■ 大学教員になるための履歴書作成方法 ■ 大学教員になるための業績書の作成方法 などがあります. ご興味がありましたら,そちらもどうぞ. 今回,これまでの記事をまとめてみようと思います. 大学教員になるためには,どのような準備をしておけばいいのか? 特に大学院生や民間からの転身を狙っている人は,以下を参考にどうぞ. (1)まずはJREC-INを確認・登録すること 大学教員および研究者の求人情報サイトです. ■ JREC-IN Portal (科学技術振興機構) 基本中の基本なので,大学教員を目指している人で,知らない人はいないと思います. なので,このサイトについての詳細な説明は割愛します. たまに,「大学教員になるためのセミナー」とかで,講師として呼ばれた御高齢の先生が,「最近はこんな便利なサイトがあるから確認するように」などと紹介することがあります. 「もう知ってるよそんなの」という気まずい空気が広がるので,ある意味おもしろいです. 就活中の3・4年生に,いまさらマイナビとかリクルートのサイトを紹介する,場違い感が半端ない就職課のオッサンのようなものですね. こっちはその先を知りたいんだよ!って感じになるやつ. あっ,もし本当に知らなかったら,必ずチェックしておいてください. なお,JRECのサイトを見れば,そこに, ・採用条件 ・任期 ・応募条件 ・必要資格 ・応募方法 ・担当科目 ・給料(記載されていないことが多い) などが記載されています. これを見て,条件が合いそうなところに応募することになります. ■ JREC-INの賢い使い方 という記事も書きましたので,そちらも参考にしてください. なお,JREC-INに掲載される求人の数は年々増え続けており, 櫻田大造 著『大学教員採用・人事のカラクリ』 によれば,以下のような状況