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僕らの時は野茂英雄っていう選手がいてだな・・・

ここ最近はしょうもない上に暗い話題の記事が続いており,「大学って大変だなぁ」とネガティブな感慨にふけっているのもなんなんで,別の話題で感慨にふけってみようと思います. 私も学生とは干支が一回りしたこともあり,だいぶ世代感を感じるようになってきました. 我々にとっては当たり前のことであっても,学生は知らない,分からない,興味がないという話は多いものです. てっきり同じ「若い世代」だと思っていても,年は無情に過ぎていきます. 世代を跨いで「世間話」というのをするようになるのも大学生からでしょうし,徐々に話が通じなくなることを実感しやすいのも大学という場所ならではかもしれません. まずはスポーツネタから.これはかなり世代感が現れやすいものです. 彼らはオリックスのイチローを知りません.なんせ,イチローが200本安打を打った時(1994年)に産声をあげたのですから. 彼らが野球を見るようになる頃には,メジャーリーガー:イチロー・スズキです. 彼らにとっての代表的な野球選手とはダルビッシュでありマー君です.そこですかさず「僕らの時には野茂英雄っていう選手がいてだな.日本人メジャーリーガーとして特別な存在なんだよ」という展開になるのが鉄板です. また,若貴兄弟の現役も知らないですし,三浦知良の全盛期も知りません.でも逆に言えば,この期間ずっとプレーしているカズの凄さが分かります. 一方で,私達の世代が上の世代の方々にギャップを感じさせるのは,北の湖や千代の富士を知らないってとこでしょうか.そこらへんで「えぇ!」って顔されます. ロサンゼルス五輪はセピア色の歴史的存在であり,山下泰裕って誰?って感じで,ソウル五輪あたりの記憶は曖昧だからベン・ジョンソンとか鈴木大地や小谷実可子の話にはついていけないというところです. 感覚的には,私達にとっての鈴木大地や小谷実可子あたりが,彼らにとっては高橋尚子とか谷亮子みないなものでしょうね.名前知ってるけど,よく知らないっていう. そうこう話すうちに話題はスポーツから事件やイベントへと移っていくわけで. 私達の世代が「日航ジャンボ機墜落事故」のことを,なんで毎年あんなにニュースで取り上げるのかピンと来ないのと同じくらい,今の学生は「阪神淡路大震災」を知りません

危ない大学における万葉集

世間は連休に突入しましたね.ですが,我々にとっては関係ないという人も多いのではないでしょうか. さて,前回まで危ない大学における格言集を書いてきましたが,今回は「万葉集」ということにして短歌を作ってみました. 短歌の調子に言葉を乗せると,不思議なことにその情景が活き活きと浮かび上がってくるものです. 危ない大学に奉職している方々にとっては,感慨深く聞いていただけることかと思います. もし「危ない大学」なるものを知らない人が読んでも,これらの歌は伝わらないことでしょう.これは本当の万葉集とて同じことです. そのような方は,本文末に危ない大学に関する記事を用意しておきましたので,そちらで事前勉強しておくと良いでしょう. お題: 学生募集 OCと 略してみればビズ用語 されど所詮は オープンキャンパス OCの ためと諦め着ぐるみに 汗ばむ我が身を 笑う学生 あけぼのに 集う職員学び舎に 今日はOC満ちるリビドー 今だけと いつもクーポン発行し 持たぬ者でも結局割引 A4に 一枚まとめて並べても 余計に目立つ 本学の粗 パンフには 載せても見る者いないよと アカデミックな理念と思想 交通費 出せば来るはず来場者 来たら彼らにお土産を 大学の ことを真面目に考える 奴こそ見ないよウェブサイト 誰が見る クラブ情報最新ニュース 頻度上げろと無理矢理更新 これは何 入試のページに目がかすむ 数多の方式我も分からず 三月の 末に掻き込み浪人の 予備軍まとめて本学に囲え 来る所 避けるが身のため大学の 客引きすなわち高校訪問 無能ほど 誇る話術と営業手法 それを学術いかせば良いのに ジャンケンに 負けて向かうは県外入試 喜ぶ相棒横目に車中 お題: バスの運転 バスゆかば 大事が小事に思いけり 我はこの地で果てる定めか 嵐でも バスに乗り込み学生を 送り届けて 虚しく誇る エンジンが 性能アップだスピードが 坂になっても落ちず嬉しき 事故っても 全ての責任我にあり よく見りゃ書いてる契約書 ハンドルを 握るその手に学生の 命あるぞと言われ発狂 大橋に 向かえば高鳴る胸の内 風に吹かれてハンドルが逝く お題: 学習環境の充実 書き方を 教えたところで書かせれば 覚えていない

続・危ない大学における格言集

前回の■ 危ない大学における格言集 の続きです. 思いつくままに書いておりますが,なんだか悲しくなってきます. はやくまともな高等教育ができるようになりたいですね. (1)バスに乗り遅れるな 危ない大学の教員にとっての “乗り遅れてはいけないバスの席” とは,「運転席」のことを指します. 詳細は■ 危ない大学におけるバスの想ひ出 を参照のこと (2)余力あるうちに楽な道を歩め 「余力ある今のうちに大学教員らしい生活を楽しんで引退しよう」という高齢大学教員の胸の内. 始末におえないのは,「どうせ近いうちに引退するんなら,思いっ切り大学改革に取り組んで,“私達が日本の大学を変えたんだ” という満足感を得てからがいいな」という思惑を持っている人もいることです. 彼らにとって大学改革とは「楽な道」ですらなく,「道楽」の一つに過ぎません. (3)もし大学の経営者がドラッカーのマネジメントを読んだら すると悲惨なことになってしまいました.という大学は数知れず. というか,まともに読まずに雰囲気だけで斜め読みしていた奴が多かったはず. せめてドラッカーの思想を正しく汲み取ってくれてさえいればと悔やまれます. (4)ザ・シークレット〜おびき寄せの法則〜 ドラッカーの『マネジメント』を早々に諦めた大学が使う,ロンダ・バーンがやってるような手法. とてもじゃないが保護者には知られてはいけないので,ゆえにシークレット. (5)羊たちの親睦 危ない大学で酷使されている教職員が,経営陣や幹部に隠れて居酒屋で一杯やること. 自分自身は矢面に出る覚悟も根性もないのに,若手を焚き付けて「これからの大学は君たちが背負っていくんだ」とかなんとか言ってる中高年教員が主催することが多い. (6)幹部らのリスト これは現幹部や幹部候補者が羅列されたリストではありません. 大学幹部の間で回っている,「謀反の疑いがある教職員」を記したリストのことです. (7)カマをかける少女 大学幹部や疑心暗鬼になっている教員の密命を受けて,ターゲットとなる男性教員に近づき「新しくできる◯号館って無駄じゃないですか?」「この資格,取っても意味ないってお母さんが言うんですけど」「◯◯先生と喧嘩してるんですか?」などと質問をする女子学生がいます. 飼い主に報告が行きま

危ない大学における格言集

危ない大学によくある話を,格言集のような形で羅列してみました. 「さながら,ことわざを変えて言うところの「◯◯◯」って感じですよね」 などと使用されることがあるものです. (1)能ある鷹は爪を隠せず 危ない大学においては,「のんびり教育研究をしてよ〜っと」なんて悠長なことはできません. いびつな構造から生まれる虚しいシワ寄せ業務が発生するのですが,そこではどうしても無能/有能が目立ってきてしまうのです. それでもなんとか効率よく仕事をこなしたい,という人々の思惑が交錯した結果,そんな大学では有能な人に業務が集中するという現象が多発します. その一方で,「皆がセカセカと苦しんでいる中,俺は上手く立ちまわって仕事を回避しているんだ」ということを自慢気に話す教員もいますが,実はそういう人ってかなり無能な人で,本人に気付かれないように周りが仕事を回していないという場合がほとんどです. (2)見切るべきか残るか,それが問題だ いびつな構造から生まれる虚しいシワ寄せ業務に疲れた教員が考えること. もっとも,実は既に見切りをつけていたりするのですが,かわいい学生の顔が頭に浮かんで思い切れずにいる.そんなところです. (3)やってみせ,言って聞かせて,させてみせ,褒めたところで人は動かじ なぜかそんな教職員がヌクヌクと生きているのも危ない大学の特徴です. 不思議です. 疲れます. (4)笑って馬謖を切る 危ない大学においては有能過ぎても睨まれます.程よい能力の者が重宝されるのですが. 馬謖を蹴落とせたことを喜んでいる様を指します. (5)人を見たらスパイと思え 泥棒もスパイも変わりないとも言えますが,そんな大学では人を信じてはいけません. 学生だって怪しいものです.特に男性教員は学生くノ一に気をつけましょう. とにかく経営陣の意にそぐわないことや,「組織」に反発していると疑われる行動は厳に慎みます. (6)電話に耳あり,ネットに目あり そういう大学に奉職されていた先輩から,「やれるけどやっていないだけ」とお聞きしました. それ以上詳しくは申しません.私も自分の身が可愛いので. (7)疑わしきを罰しちゃった そんなスパイや盗◯からの情報を得て,経営陣は自分たちに謀反を企てている「疑わしい教職員」を見つけ出そうと

井戸端スポーツ会議 part 24「映画:コーチ・カーターの感想」

ブログ記事のネタに困ってしまったので,映画レビューをしてみようと思いました. せっかくなのでスポーツ系&教育系の映画で. 今回はこちら. 映画:「 コーチ・カーター 」(wikipedia) ネット配信されているものをなんとなく観てみたら,意外と考えさせられることが多くて素直に面白かったです. この映画,リッチモンド高校における ケン・カーター 氏の実話に基づく物語とのこと. ネタバレを含みつつ楽しみを奪わない程度にストーリーをなぞると, アメリカの教育困難校の一つであるリッチモンド高校のバスケットボール部の監督にケン・カーターが赴任する. 犯罪多発地域でもあるこの高校の生徒には問題を抱えた生徒が多く,バスケ部員もその例外ではない. 学力も低く,進路もままならないバスケ部員に対し,カーターは卓越した指導力で彼らを “とりあえず” 強豪チームに育て上げる. しかし,カーターがバスケットボールのクラブ活動を通して彼らに伝えたかったのは「試合に勝つこと」だけではなく,より良い人間になるにはどうすればいいのかを考えさせることにあった. 試合後,勝利に沸きハメを外して怒られた部員の一人が言う.「監督,俺達は勝っただろ.それを望んでいたんじゃないのか?」 それを聞いたカーターはある行動に出る.それは保護者や市民からの苦情が殺到し,マスコミが押し寄せ,監督解任を迫る事態となってゆく. というもの. 単純に学校スポーツにおけるサクセスストーリーというわけではなく,どちらかと言うと スポーツではなくて高校教育の方が主軸 なんだろうと思います. 世間の(ネットの)映画評も「感動した」とか「考えさせられる」ということで概ね良好. ただ,実話に基づくスポーツドラマですから,どうしてもクライマックスが「実話らしい結末」になるのは仕方ありません.・・というレビューも多いですね. 「スクール・ウォーズ」と「スライムダンク」を足して2で割ったようなこの映画,日本人の感性にも合うのではないでしょうか. だからこそ,この映画を観て考えさせられたのは,アメリカの腐敗した学校(大学)スポーツ事情を立て直すには,カーター氏のような教育哲学を持った行動家が求められるのだろうな,という点です. 「スポーツを通した人間教育」 私たち日本人にとっては非常に親しみや

井戸端スポーツ会議 part 23『東京五輪エンブレム問題に見えるスポーツの危機』

スポーツに関する時事ネタを. そう言えばスポーツの記事を長らく書いておりませんでしたので. 今回はこれ.「東京五輪エンブレム盗用疑惑」です. そして案の定,東京五輪のエンブレム問題は以下のように進展したようです. 東京五輪エンブレム、使用中止の方針…組織委 2020年東京五輪の大会エンブレムがベルギーの劇場のロゴマークに似ていると指摘されている問題で、大会組織委員会は1日、五輪、パラリンピック両方のエンブレム使用を取りやめる方針を固めた。 組織委は7月24日、東京五輪とパラリンピックのエンブレムを発表。アートディレクターの佐野研二郎氏(43)のデザインが採用された。だが、五輪エンブレムについて、ベルギー東部リエージュの劇場のロゴマークに似ているとの指摘が出され、マークを手がけたデザイナーなどが国際オリンピック委員会(IOC)に対し、使用差し止めを求める訴訟を起こした。(読売新聞2015年9月1日) このエンブレムのデザインが「盗用」されたものだったかどうかは不明ですが,ちょっとね・・.あまりに似すぎでしたよね. そのまま採用していたら気持ちが悪かったので,この判断でよかったのではないかと思います. 一方で,ネットを見る限りではありますが,佐野氏が「盗用」していることが当然かのように糾弾するコメントもみかけます. 証拠があるわけでもないのに,これはこれで気持ちが悪いものです. さてさて,今回の話の問題点はいろいろあるのですが,私見をいくつか述べてみましょう. それに, この東京五輪エンブレム問題を掘り下げていくと,日本のスポーツ界に潜む問題が炙りだされるのではないか? と考えられる節もありますので. まず,このエンブレムのデザイン自体,非常にチープですよね. 私自身,五輪エンブレムのデザインについて関心があるわけではないので,今回のように取り上げられずそのままスルーされていたら気にならなかったことでしょうが,それにしても映えないデザインであることには違いありません. 悪いと言っているわけではありません.良いデザインではないと言っているのです. というか,逆にベルギーの劇場のロゴの渋さが際立ちます. 今回のエンブレムは・・,なんというか,ダサい. 実際のところ今回のエン