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こんなパンフレットの大学は・・,おっと危ない

このブログにおける「こんな◯◯な大学シリーズ」を楽しんでいる人に送る記事です.

そんなニュースがありました↓ ので,ちゃんと反応しておきたいと思います.
これが「大学案内」とは まるでファッション誌「近畿大学案内」(Yahoo!ニュース:産経新聞)

以下,記事より引用.
まるでファッション誌-。近畿大学(大阪府東大阪市)が大学案内を一新させ、話題を集めている。これまで多くを占めていた各学部のカリキュラムや研究内容はほとんど掲載されておらず、学生たちのファッションや部屋をスナップ写真で紹介し、“おしゃれなキャンパスライフ”を前面に押し出す内容になっている。
とのこと.やはりこうなって来るのですね.
※ちなみに,昨今の大学パンフレットを憂いた過去記事はこちら↓
こんなパンフレットの大学は危ない 
なんですけど,それを凌駕する大学パンフレットが新聞記事になっているというわけです.

記事中には,
これまでの形式を打ち破った方法に、受け入れてもらえるかなどの不安もあったという。しかし、大学に寄せられている声は、「見やすい」「おしゃれ」など、好意的なものが多く、担当者はほっと胸をなで下ろしている。
ということが書かれていますが,こういうパンフレットって溺死しそうな大学では以前から作成されていましたので,こういう知名度のある大学でも始まったのだ.と,そういう見方をした方がいいと思います.

それに,「見やすい」とか「おしゃれ」という声を好意的だと思っているようですが,でもこれって大学のパンフレットへの反応としてどうよ,って.そういう感じです.

あっ,すみません.パンフレットの担当者を叩くのは私の本意ではありません.
彼らなりに一生懸命仕事をしたのです.私も担当者だったら同じ事をしたでしょうし,同じ反応をしているはずですから.
ただ,その様子は欲望に耐え切れずドーピング注射をその腕に打ち込んでいるスポーツ選手にだぶるものがあります.
哀しいですね.

記事の最後には,
いかに大学の魅力をPRしていくか、少子化にともない、大学は学生集めに躍起だ。
グラフィティのプロデュサー、黒田佳史さんは「今後は、このような大学案内がスタンダードになっていくだろう」と予想した。
とありますが,その予想は当たると思います.
こうした流れは今に始まったことではないわけですし,あとはどこまで担当者が「吹っ切れるか」または「楽しむか」次第なんです.

さっきも言ったように,内部の人達にはこの手のパンフレットを作成するアイデアは遥か以前よりありました.
学生のキャンパスライフに焦点を当てて,授業内容や研究業績を排除するほうが読み手のウケは良い.
そんなの,通常の商売気があれば分かるはずです.

例えば他に思いつくもの,つまり今後の大学パンフレットにおけるコンテンツ候補としては,「キャンパス周辺の楽しみ方」とか「教職員と学生のプライベートシーン」とか「恋愛話」とか「作家やメディアとのコラボ」とか.
・・いいえ,もうすでに上記に似たようなコンテンツを載せているパンフレットはあるので,あとはどれほど紙面を割くようになるか? そこが問題です.
(今回話題になっているファッション誌風なコンテンツも,昔のパンフレットの一部にありましたよね)

ちょっと前の記事である,
教育現場,結局,ドラッカーはどうなった?
でも取り上げましたが,ファッショナブルで華やかな事をしてみたいという願望を持った大学の教職員は昔からいました.

でも,あえてそれに手を付けなかっただけです.

なぜ手を付けなかったかと言うと,
1)パンフレットとは言え,その内容は大学の品格を示すから
2)大学パンフレットに華やかさや広告効果を求めていないから
です.
なぜかというと,「大学とはそういう場所ではないから」という伝統と常識がそれを守っていたからです.

葬式でマツケンサンバを踊ることはありませんし,ラーメン屋のチラシにヘアヌード写真を載せることもありません.それと一緒です.

ただ,葬式でのマツケンサンバを楽しんで,ヘアヌードのチラシでラーメン屋の売上が伸びるなら,それがまた普通になっていくわけですが.

これ以上の難しい話はしたくないんですけど,じゃあどうすればいいのかっていう話があるわけでもないんです.
「それってどうなの?」という感覚に頼ることになります.

細かい話は以下の関連記事をどうぞ↓

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