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井戸端スポーツ会議 part 5「グローバリズムはスポーツ」

前回の記事では,「スーパーグローバル大学」という顔から火が出るほど恥ずかしい名称の企画を,実は文部科学省というお堅い役所が本気出して要求してきたんですよ,なんていう話にも触れました. 今回はその「グローバル」についてのお話です. 先日,大学院の後輩にあたる人とお会いした時,「スーパーグローバル大学」をネタに笑っていたら,その人が「最近はスーパーグローバルハイスクールっていうのがあるようですよ」って教えてくれました. そうなんです.もはや「高等学校」などと言わないんですね.ハイスクールです. 「嘘だ」「そんなのネタに決まっている」という人は,以下の文部科学省の資料をどうぞ. ■ http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/sgh/ でも,こうした「イタい」名称をつける癖が文部科学省には元々あるらしく, そう言えば,「スーパーサイエンスハイスクール」なる企画もやっていました. 「んあアホな」「全力で笑いを取りにいってるだろ」という人は,以下の文部科学省の資料をどうぞ. ■ http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/gakkou/1309941.htm そんなわけで,“スーパー” じゃなくても “グローバル” がもてはやされる昨今,「グローバル化は不可避の潮流だ」と言わんばかりにグローバリズムがブームになっております. 無駄な前置きが長くなりましたが,今回の井戸端スポーツ会議のテーマである「グローバリズム」の話に入ります. 「スポーツにおけるグローバリズム」とか,「グローバリズムがスポーツに及ぼす影響」という論調の解説やニュースは多いものです(多くはないか・・). 概ね以下のような論調だと思います. 「スポーツの領域にもグローバリズムの波が押し寄せている.例えば,国境を越えて選手が活躍し,ネットワークの発達に伴いスポーツコンテンツや市場が地球規模で展開されている」 というやつです.あとは, 「スポーツがグローバル化することで,ルールに明記されることがない不文律のところで摩擦が起きている(我が国では柔道,剣道といった伝統文化にまつわる議論)」 だいたいこういう話です. このように, スポーツとグローバリズムに関する話は,その多くがスポーツで起きている事象をグローバ

自主的に学ばせるには?…っておかしいでしょ

先日,ニコニコ動画で興味深い論考を耳にしました. 佐藤健志氏による「言葉の使われ方」に関するものです. YouTubeでは, ■ https://www.youtube.com/watch?v=_MSpYNDibxQ で見ることができます. 30分25秒ぐらいのところから,氏の論考を聞くことができます. どういう話かというと,「現政府の言葉の使われ方が,デタラメになってきている」というもの. 例えば集団的自衛権行使容認については,「これは,憲法解釈の一部変更であるが,解釈改憲ではない」 とか, 成長戦略については,「もはやデフレ状況ではなく,デフレ脱却に向けて着実に前進」 とか, 「私の第三の矢は,日本経済の悪魔を倒す」 とか. 言いたいことは分からないではないが,真っ当な日本語になっていないわけで. そうした真っ当ではない言葉の使われ方を目の当たりにしても,それがまかり通ってしまうような日本社会というのは,これもまた真っ当なものではないのだろう.という話なのです. それでですね, これを聞いた時に「我々もそうなんだよなぁ」と思わされたのが,この国の学術活動を司っている大学も同じであるということなんです. 大学こそ「言葉の使われ方」にひときわ敏感でなければいけない集団なのに,その大学自らが使う言葉に「なんじゃこりゃ?」と思わされるような話がたくさんあるのです. この前,他大学の先生と雑談していた時に出てきたのが,昨今の大学のFD(ファカルティ・ディベロップメント)があまりに酷い,ということ. ※FDというのは,教員の教育能力向上に向けた取り組みのことです. 最近,(多くの大学で)注目されているのが, 「学生たちが自主的な学びに向かうにはどうすればいいか?」 というテーマでして. えぇ,もうね・・.既にこの時点で終わってるんですけど. ピンとこない人のために笑いどころを解説しておくと, 「自主的に学ばせようとしてる時点で,それって自主的じゃないやん」 っていうツッコミなわけです.外野としてはそれが聞いてて面白いんですけどね. FDに全くと言っていいほど取り組まない大学に移ってきた私なので,ちょっと懐かしい香ばしさに出会えて嬉しい気分になったと同時に,悲しみと哀れみの情が生まれたというか,シュールと

井戸端スポーツ会議 part 4「自転車は車道を走らない方が安全だろう」

最近のニュースで, 「東京五輪までに倍増」 舛添知事が自転車専用レーン視察 というのがありました. 自転車通勤をしている私としても,こうしたことは自転車の利便性が高まる動きですので喜ばしいことだと思っています. 自転車専用レーンを増加させようという動きは,なにもオリンピックが決定したからではないことは,知る人ぞ知るところです. 昔から自転車専用レーンを望む動きはありまして,特にここ最近,「 自転車と歩行者の事故」がクローズアップされた こともあって,それに拍車がかかっているように思えます. 「 自転車と歩行者の事故が増加している! 」というニュースや記事をみることがあります. 例えば,この 大阪市のホームページ でも「急増している」ということになっているのですが. さて,大阪市のHPを見る前に,ここで問題. このように「急増している」と報じられる自転車と歩行者の事故件数,全国で一体どれくらいだと思いますか? って,うちの学生にも聞いてみたんです.そういうニュースを良く聞くでしょってことで. 「1万件」とか「10万件」だとか答えていましたが. 正解は2605件(2013年)です. んでさらに,死亡事故にまで至る事故はどれくらいか?って聞くと, 「200件」とか「1000件」だとか答えていましたが. 正解は3件(2013年)です. これの重大性をどのように思うかですが,それはとりあえず置いといて. 次に,自転車事故全体を眺めてみますと, 自動車・バイクとの事故:約11万件(うち死亡:500件) 自転車同士の事故:約3000件(うち死亡:3件) 自爆(単独事故):約2500件(うち死亡:87件) その他:約3800件(うち死亡:4件) ということになっております. ※詳細は⇒ 警察庁の交通事故統計 を御覧ください ちなみに,この割合は年を追ってもそんなに大きな変化はなく,幸いなことに全体的には自転車事故は減少傾向にあります. ※自転車と歩行者の事故が増加したのは10年前までのことで,最近は減少傾向にあるわけです. 今回の記事で井戸端会議したいのは, 「自転車は車道を通る」を徹底させたり, 自動車道の直ぐ脇に自転車専用レーンを作っても, 死亡事故