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エクセルExcelでΧ二乗検定を part3

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かつては, ■ ExcelでTukey法による多重比較 とか, ■ フリードマンの検定をエクセルでなんとかする といった,「お前,ちょっとニッチ過ぎにもほどがあるだろう」という記事を書いていた私ですが,少しは需要が高めな記事も書いていこうかと思ってきた今日この頃です. 以下の記事を読んでも不安がある場合や,元の作業ファイルで確認したい場合は, このリンク先→「 統計記事のエクセルのファイル 」から, 「クロス集計によるχ二乗検定」 のエクセルファイルをダウンロードしてご確認ください. さて,その「少しは需要が高め」なテーマですが,前回は, ■ エクセルで相関係数のp値を出す でした. 今回はカイ二乗検定です. ■ エクセルExcelでΧ二乗検定を ■ エクセルExcelでΧ二乗検定を part2 という記事を,遠い遠い遥か彼方に書いていたことがあります. その続きです. それではまず,例題であるデータから御覧ください. 「肉」と言えば何肉ですか? というアンケートをとったとして,それで関東と関西で回答結果を分けてみた,というものです. 関東は「豚肉」,関西では「牛肉」と回答する人が多いのだそうですよ. この例題でも,なんか多分そんな感じではないかという印象ですね. ではまずそれを, ■ エクセルExcelでΧ二乗検定を でご紹介したようにカイ二乗検定でp値を出してみましょう. 今回の記事では詳細は省いてササッといきます. 関西と関東でとった調査の合計(N数)から,期待値を算出します. 関東は「=75 ÷ 2」で「37.5」,関西は「=54 ÷ 2」で「27」を出しています. そして,以下のようにカイ二乗検定をします. すると・・・, こんな結果になりました. 残念です. p値は,関西関東のいずれも「0.05」未満にはなりませんでした. が,そもそも,このアンケートで調査したいのは, 地域によって回答パターンに違いが有るか否か? という点です. 関東は関西よりも豚肉(関西は関東よりも牛肉)だと回答している人の数が多いのか? という点を知りたいのですから,以下のような検定をします. まずはデータ入力

エクセルで相関係数のp値を出す

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エクセルでは相関係数のp値がでない|どうやって計算するのか? 学生などから統計処理についてよく受ける質問を取り上げてみたいと思います. 「エクセルで相関係数を出したんだけど,それが有意かどうか? っていうかp値が知りたいんですけど」 というものです. たしかにエクセルには相関係数のp値を算出したり棄却限界を示す機能はありません. 私も以前は,エクセルで相関係数を算出した場合,それが有意かどうかは 「相関係数の棄却限界の表」 みたいなのを利用していました. もしくはSPSSを使うとか. でも, そんなに苦労せずに相関係数の棄却域を算出できます ので,ご参考までに. 以下の記事を読んでも不安がある場合や,元の作業ファイルで確認したい場合は, このリンク先→「 統計記事のエクセルのファイル 」から, 「効果量をエクセルで算出する」 のエクセルファイルをダウンロードしてご確認ください.   では早速,例を示しながら見ていきましょう. 以下の様なデータがあったとします. ボールを投げる力「遠投力」と,腕っ節の力「握力」に相関がみられるかどうか を調査したものです. 散布図を見ても,どうやら関連性がありそうですね. では,このデータから相関係数を算出してみます. 以下のように, =PEARSON(A2:A13,B2:B13) というものを入力して「r」値を算出しました. D列2行目に「0.597875」と出ています. ではここからが本題です. 次に,以下のようにしてt値を出すのです. =D2*SQRT(12-2)/SQRT(1-D2^2) 今回の例のセルには,上記のように入力しています. 何を入力しているのかというと, =相関係数 × SQRT(N数 − 2) ÷ SQRT(1 − 相関係数の二乗) というものです. そして最後にこの「t」値を使って, =TDIST(D4,10,2) というように入力したら「p」値が出てきます. これも少し解説しておくと,以下のようにな関数入力になっています. =TDIST(t値,10,2)

できればこんな教員・志望者を採用したい(ただし一部の大学に限る)

本記事についてまず,お断りしておかなければいけないこと. このブログで “まことに残念なことに” アクセス数が増加してしまった 「危ない大学」に心ならずとも奉職したい人 に向けた記事です. 「とりあえずどんな大学でもいいから専任・常勤の教員になっておきたい」という場合を想定しています. もしくは,経営難に喘いでいる大学,もしくは苛烈な競争にさらされている大学の「経営陣」の方々にとっては, 「あぁー,それ分かるぅ~」 ってことで楽しんで・・,いえ,共感してもらえることかと思います. 今,危ない大学は以下の様な人材を欲しがっています.なにふり構ってられない人は要チェックです. (1)研究活動はしないが,コンスタントに研究業績を残せる いきなり禅問答かナゾナゾのようなものですが,こういう手品が使える人が「欲しい人材」です. 経営陣としましては,「この難局を乗り越えるために,一致団結して業務にあたってもらいたい」ということで,「先生方に於かれましては,今は研究活動よりも教育に注力していただきたい」などと言いたくなるものです. 本気で危険水域のところでは研究への禁止令が出ます. 研究活動をする時間を用意しないのに,どうやって研究業績を残すんだ?そんな疑問や不満もあるでしょう. どういうことかというと,経営陣としてはこういうことを言いたいわけです. 「現代の大学において,研究とは「プロセス」ではなく「結果」である」 研究活動(プロセス)を削り,代わりに,どんなものでもいいから研究業績(結果)を残せばOK.タイム・イズ・マネー.営業活動に精を出してくれ,ということです. 最近どっかで聞いたことがあるニュースと似ている気もしますが.私は無関係ではないと思いますよ. なぜ「プロセス」を重視しないのに「結果」だけ求めるのかというと,そうじゃないと「大学」とは認めてもらえない,という仕組みになっているからです. その「仕組み」をもうちょっと詳しくお話しますと,一応,文科省とか大学基準協会なんかでは「大学っぽい大学」として「研究やってるぞ指数」というものがありまして.これを各大学に要求するわけです. 危ない大学であっても,お役所から「大学」として認められるためには研究活動や研究業績が求められる時期がくる.という状況に直面するのです.

「教職員用」危ない大学とはこういうところだ 其の三

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“危ない大学の教職員の人だったら分かってくれる” そんなコンセプトで,これまでに, ■ 「教職員用」危ない大学とはこういうところだ ■ 「教職員用」危ない大学とはこういうところだ 其の二 と書いてきました.その第三弾です.     この手の記事では繰り返しになりますが, 「危ない大学」だからと言って,そこにいる人たち皆が悪人でも怠惰というわけでもありません. むしろ逆で,血眼になって営業活動をしていることの結果です. 今どき大学も血眼になって営業活動しろ,って世間から言われたからそうしてるだけのことで,その結果として学生(卒業生)の学術レベルを犠牲にしている,それだけのことなのです. だから,我が子を見るような温かい目で見てあげてください. そう言えば最近,そんな「日本の卒業生」が科学界に衝撃を与えるような事をしでかしましたが.どうかそれも温かい目で見てあげてください. 国民の利益,国益を犠牲にしてでも,国民や国の要望に答えなければならない.これは結構おもしろい状態だと私は諦観しております. これについては「Advanced危ない大学」として論じなければいけないのですが,今回のシリーズではもっとホンワカとした(吉本新喜劇的な)ものだけ取り上げます. では早速, (1)きぐるみを着る オープンキャンパスとか,運動会やら学園祭などの学内イベントとか.そんな時に「きぐるみ」を来て走り回っています. 普通の大学であっても名物教職員なんかが「本人が好きで」やってる場合はあります. これは好きにやらせとけばいいのです. 問題なのは,教職員が「きぐるみ」を「係」としてやらねばならぬ状況にあったり,「きぐるみを着て営業しなければ」と思わせるような状況にある場合です. 高校生や保護者のために申し添えておきますと,例えばオープンキャンパスなんかで「きぐるみ」が学内を走り回っていたら,その大学はパスしたほうが安全です. (2)オープンキャンパス用の学生を躾けてる オープンキャンパスに補助として入る学生に対し,さながらデパートの新人教育のように,対人サービスの振る舞いを教えます.コミニュケーション能力をつける教育的活動なんだ,と自分たちに言い聞かせてますが.もともと,ゼミやクラブから「優秀」「人当たりが良い」とされている人たちをピ

「教職員用」危ない大学とはこういうところだ 其の二

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先日, ■ 「教職員用」危ない大学とはこういうところだ を書いたのですが,その関連記事も含めてアクセスが増えているようでして. PCで見ている人は,この画面の右端を見ていただけると週間ランキングが出ているかと思いますが,あっという間に本ブログのメイン(?)である統計学のページを抜き去って 「危ない大学」シリーズ が上位を独占しております(2014年4月15日現在). というわけでもないのですが,懲りずに第二弾です. 危ない大学にありがちな事を集めてみました. 教職員の皆様だったら「あるある」というネタで楽しんでもらえるかと思います.     (1)朝礼がある 朝礼をします.そのまんまです. 事務職員の朝礼があるっていうのなら聞くこともありますが,危ない大学では教員も朝礼に出ます.大学教育のことをちゃんと考えていない人なら, 「いいじゃないか,教育熱心なところの現れだ」 なんて言い出すのでしょうけど.残念ながら朝礼のある大学に,まともな大学は少ないです. なぜ朝礼するのかっていうと,そういう大学は教職員を朝礼によってコントロールしたいと考えているからです. 学校,民間企業,公的機関,みんな朝礼をやっているじゃないか.真剣さが伝わるところほど朝礼をやっている.だからウチでも朝礼しよう.という理由ですが,ようは大学教員をコントロールしたい気持ちの現れです. そんなわけで, (2)教員の出勤をタイムカードでとっている 大学で働くということは,とにかく学内でセカセカと働かないといけない,そんなふうに考えているわけです. 通常のアカデミシャンの感覚からすれば, 「そんなんで大学教育が出来るわけないやろ.アホちゃいますの?」 と言いたいでしょうが,残念ながらこの感覚は一般人には通用しません. そして, 一般的な感覚で大学運営がなされている.もとい,一般的な感覚を利用して大学運営をしなければいけないほど堕ちている大学であることを明らかに示しているのです. 私が思うに,これはどうにも埋まらない溝ではないでしょうか.せめて「学校」とか「大学」というものの起源を勉強してもらいたいものですが,残念なことにそれは期待薄です. 遅く出勤して,早く帰る.そんなことで「働いている」とは言わさない.そんなことは許さない. 内部からも