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3月, 2014の投稿を表示しています

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ベビーシッター事件から考える保育

やっぱりというか,なんでこうなるのかというか. 前回の■ 慎重な待機児童対策を でも取り上げたベビーシッター事件に関する(確認できる範囲で)ネットの反応がヤバイです.悪い意味で予想通り過ぎて気分が滅入ります. この事件のニュースは以下の様なもの. 男児死亡事件で注目、「ベビーシッター」紹介サイト なぜ母親たちは利用せざるをえないのか (Yahoo!ニュースより) 被害者となった母親の境遇や,預ける理由について憶測が飛び交い, 「こんな危険なところになぜ預けたのか」「母親の方にも落ち度があるのではないか」「遊ぶために預けてたんじゃないのか」 などとコメントが溢れております. コメントしている方々としては「正義は我にあり」とドヤ顔できる楽しい話題なのでしょうけど,この事件を無駄にせず今後の教訓にしていくためには,こうした反応とは別の考察をしていかねばなりません. ここは一つ,慎重に議論していきましょう. この事件は,「保育」について真摯に議論すべきエッセンスがたくさんあります. ただ,上記のようなネットのコメントが氾濫し始めたようですので,ちょっと整理が必要です. 一つの文章にすると,本件はこういうミスリードになりつつありるので注意が必要です. 安かろう悪かろうのネット紹介型ベビーシッターに預けてしまったことにより痛ましい事件になってしまったが,その一方で,このような危険なベビーシッターに預ける親にも落ち度があるのではないかと考えられ,さらには,この親の境遇からしてこのようなベビーシッターに預けてしまう行動が生起された疑いがある. もしこのように事件が捉えられつつあるのであれば,非常に問題だと考えられます. なぜなら,上記のような捉え方から導き出されるのは, 「事件を起こした犯人が悪いのは当たり前なんだけど,ダメな親のもとに生まれた子供もかわいそう」 という極めて薄っぺらな,小学生の読書感想文のようなものに終わってしまうからです. 先に結論から言いますと,本件で私が主張したいことは以下のことです. 今回の被害者となった親の境遇がどのようなものであれ,そのようなことに関係なく, 安かろう悪かろうの保育産業が跋扈することを防がなければならないことが直視された事件 なのであり,そうした劣悪な保育産業・子供ビジネ

慎重な待機児童対策を

待機児童問題を始めとして,子育て改革,幼保一元化(幼保一体化)といったことにスポットが当たっていましたが,その改革に一石を投じる事件が発生しました. ベビーシッター:20代男を逮捕へ 男児遺体で神奈川県警 横浜市磯子区の20代女性が2歳の長男と8カ月の次男を預けたベビーシッターと連絡が取れなくなる事件があり、神奈川県警は17日、埼玉県富士見市東みずほ台のベビーシッターの関係先のマンション一室で、長男の遺体を見つけた。次男も一緒で病院に運ばれ入院したが、命に別条はない。県警はベビーシッターの20代の男に任意同行を求めて事情を聴いており、容疑が固まり次第、死体遺棄容疑で逮捕する方針。 関係者によると、男はこの一室を保育室として使用していたとみられる。県警の任意聴取に対し、「14日に2人を部屋に連れてきた。帰す予定の16日昼に薬を飲んで寝てしまった。翌朝、目覚めると亡くなっていた」などと説明しているという。 毎日新聞 2014年03月17日 20時58分 ついでに,同じ毎日新聞の記事で, ベビーシッター:届け出義務なく玉石混交 ベビーシッターは一般的に利用者の自宅などに業者が訪ねて子どもの世話をするサービスだが、国家資格ではなく、国や自治体に対する届け出の義務もない。独自の資格認定事業を行う公益社団法人「全国保育サービス協会」の鈴村忠則副会長は、「加盟業者は全国に約100社あるが、未加盟だけで400社弱はあるのでは」とみる。 厚生労働省は2015年4月から市町村が認可したベビーシッター業者に国と自治体が給付金を出し、利用者の負担を減らすよう仕組みを改める方針だ。しかし裏を返せば、現状は玉石混交だ。 厚労省などによると事件のようにマンションの一室で子どもを預かる形態は「認可外保育施設」に近い。同施設は児童福祉法に基づく行政の指導下に入るが、預かる人数が5人以下であれば、県や政令市などへの届け出は不要で、規制の事実上の「盲点」になっているという。 毎日新聞 2014年03月17日 23時47分 こういう記事もあるので参考に. 母投稿、男が連絡か 安さ売り、利用拡大 以前からこのブログでは「幼保」に関することについて,近い将来に上記のような条件と環境が整ってしまうこと(むしろ,既に整っていること),そして,そうした条件と環境によって正にこの種の

近場だったところに足を運んでみました

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春の朗らかな風が邪悪な花粉を運んでくる憎たらしい季節となりました. そして,私も関東に移り住んでちょうど1年が経とうとしています. このたび,関西に用事が重なったことを利用して,それまで住んでいたところの近場の観光地を訪ねてみました. 「いつでも簡単に行ける」と思っていたところは意外と行かないものです. 結局,これらは今回が初めてのところばかりです. せっかくなので,「 神戸空港 」とやらを利用しました. いつもは新幹線を使うのですが,このさい,料金もさほど変わらないのですから“今後は使わない可能性が高い”神戸空港をチョイス. 前日に予約しても余裕で航空券がとれるとは,さすが神戸空港. 余裕かまし過ぎて電車が遅れるアクシデントに見舞われ,滑り込みセーフだった羽田空港78番搭乗口.息を整えながらのフライト. やっぱり飛行機は性に合いません. 以下は 長野県南アルプス上空あたり かな? 思わず撮ってしまいましたが,実は撮影禁止時間だったと思い返した着陸体制の時間. 毎度利用していた 明石海峡大橋 の上空です(右端が淡路島). これが神戸空港とやらです. 悲しいほどにガラガラなのですよね.高知空港と張り合えますよ.今後の活躍に期待したいところです. 三宮の人にはお馴染みの「 サンキタ通り 」と, その近くにある 生田ロード からの「生田神社」でございます(奥にチョット見えてる). この近くでは何度も呑んだり食ったりしていたのですが,今回が初めての参拝となりました.これが「 生田神社 」です. 先を急ぐ旅です. 今回は “神戸の名立たる神社仏閣巡りをすること” と位置づけ(いつもだけど),すぐさま電車でGO! 次は「 湊川神社 」です. ここの近くの体育館(神戸市中央体育館)には大学の大々先輩や知り合いもおり,仕事でしょっちゅう来てたくせに,今回が初めての参拝です. 「あぁ,ここが忠臣・楠木正成公の最期の場所かぁ・・」と感慨に短くふけって次へ. 西に足を運んで,今度は「 須磨寺 」.真言宗のお寺でございます. 一の谷の合戦の舞台であり,青葉の笛で有名な 平敦盛の首塚 があることで有名です. こ

偏差値45の大学選び パート1

昨日の記事もそうでしたけど,「こんな大学は危ない」ということを紹介することがありますが, では,どういう大学なら良いのか?その判断基準はあるのか? というところが気になるかと思います. そこで今回は,ホームページやパンフレット,可能であればオープンキャンパスに行って調べたい大学選びのポイントをご紹介することにします. まず第一弾として, (1)自宅からのアクセス (2)図書館(パソコン室)まわり (3)貸出備品 (4)ゆるさ の4点です. まず最初に,重要な点を1つ. 「あなたが目指している大学のレベル」についてです. 身も蓋もないことを言いますと, 国立大や超難関大学,MARCH,関関同立といったレベルの大学(学部学科)であれば,はっきり言ってどこへ行っても同じです. こういうレベルの大学であれば,ぶっちゃけ「入れたところで頑張るのみ」としか言いようがありません. 問題になるのは,何を専攻するのか?師事する先生は誰か?といったことになります. 今回ご紹介するのは,そしてこの記事で対象としているのは,こうしたトップレベルの大学を目指している受験生ではありません. だいたい偏差値が40〜50くらいの枠の中で「大学のこと,あんま知らないし.どうしようかなぁ」「滑り止めとは言え,もしものために」と悩んでいる受験生 の参考になるかと思います. 「W大の◯学部より,C大の◯学部のほうがぁ〜」などとドヤ顔で話している人たちに嫌悪感を抱きつつも,自分の学力の天井が見えていて,それでも大学という場所で自分の可能性を広げてみたいと考えている受験生のための記事と捉えておいてください. こういう観点での情報って案外少ないものですから,ここに著しておきたいと考えました. (1)自宅からのアクセス よく言われるものの一つですが.特に3〜4年生にかけて,もしくは大学でがっつり喰いつける活動ができた時に最重要になってきますので,妥協しないほうがいいです. 大学というのは授業やクラブ活動をするためだけに通学するのではありません. 受験する時や入学時にはそのように考えてしまう人が多いですが,実は違います. 時間の都合をつけて,授業や課外活動を越えた/包括した勉強をする必要が出てくるものです.それが何か

こんなパンフレットの大学は危ない

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これまでにも, ■ こんなホームページの大学は危ない ■ こんな挙動の教員がいる大学は危ない といった記事を書いておりまして,結構な閲覧数を稼いでもおりますし,また,その内容が皆様の参考になっているようでしたら幸いです. さて今回は,以前ご紹介した『こんなホームページの・・』の続編として,「パンフレット」を取り上げることにしました. とは言え,ホームページとパンフレットは掲載内容が似通っているということもありますので,タイトルとしては「続・こんなホームページの・・」と捉えてもらってもよいかと思われます.   この手の記事では繰り返しておりますが,「こんな◯◯の大学だから,そこにいる人たちが一致団結して悪人」 というわけではない ことを申し添えておきたいと思います. こんなホームページやパンフレットになってしまうのは,  学生募集のためにその大学の教職員さんが粉骨砕身,努力を積み重ねた結果  だからなのでございます. だからこそシュールに映るのですけどね. ちょうど,美人とはとても言えない人がお見合い写真や釣書に全力を尽くしてしまい,かえってそれがなんとも “痛い” という状態とよく似ています. 「アピールすべきはそこじゃないだろ」というツッコミを入れたくなるのと同時に,そもそも “そのアピールすべきところ” が,大学としての存在意義を問われるポイントであるにもかかわらず,そここそアピール不可能な大学である ,という痛ましい状況を類推することができてしまうことを物語っているとも言えるからです. あと,以下を読んでもらう上で注意事項をいくつか. 某掲示板において「こんなホームページの・・」の記事が紹介された際に,そこでのコメントにあったのですが, 「どんな大学も,このうちのどれかには当てはまるだろ」 というもの. ちゃんと記事の全文を読めよと思いましたが,改めて申しておきますと, 以下の項目に 当てはまる数が多いほど「危ない大学」 ということです. どれか1つが当てはまれば陽性ということではありません. あと,★の数は影響力の強さを示しています. ★の数が多い項目であれば,少数であっても “危ない” 確率は高くなります. ※なお,「危ない大学」というのはどんな大学なのか?につい

簡易版・負けたのに楽しかったはダメでしょうけど.けどね

ネットニュースを見ている限りでは,オリンピックなどの国際スポーツ大会における代表選手の言動に関する議論が思いのほか続きました. 事の発端は,大学教員である竹田恒泰氏がツイッターで,日本代表選手は「「メダルを噛むな」「国歌は歌え」,負けたのに「記念になった」「楽しかった」などの発言はありえない」という一連の主張をしたことです. 「負けたのにヘラヘラと『楽しかった』はあり得ない」 竹田恒泰氏の五輪選手への「注文」が賛否両論 私は当初このニュースのことを一般庶民の「スポーツ」を見る目に興味深い変化が見られるものとして眺めていたのですが,残念ながら予想以上に 「スポーツ」が放ったらかし になったままの下品な形で続いているようです. ですので, 前々回の記事である■ 「負けたのに『楽しかった』」はダメでしょうけど.けどね. の続編,というか内容をあっさりさせてみたところです. 長い記事になってしまった前回の記事では, 「うわっ,スポーツごときで回りくどい面倒な話するんだなぁ」 と思われてページを閉じられた人もいるかもしれませんので,その簡易版も出しとこうと思います. 以下の詳細は,■「負けたのに『楽しかった』」はダメでしょうけど.けどね.を読んでください. まず,負けたのに「記念になった」とか「楽しかった」などと発言する選手についてですが, 『論外』 です. 文字通り,『 論 外 』です.論ずるに値せず,まったくもってフザケている選手ですので,論じる必要はありません.世が世なら斬首です. その選手の回りにいる方々(指導者や肉親,友人など)が,そっと「お前,ちょっとあの発言はないで」と教えてあげてください. バッシングする必要はありません. 関係者以外は黙っておくべきです.論じるに値する話ではないからです. 論じれば論じるほどに,さほど考えもしないで,印象だけで,“なんとなく多分そんな感じ”っていう理由だけで語りだす人が出てきます.酔っ払いオヤジの芸能ニュースのような議論でスポーツの在り方が方向付けされる恐れがありますので. 竹田氏に対して反論した人が色々いますが,それに対するネットのコメントを見ていると,「やっぱりそうきたか」と虚しい気分になってしまいます. とはいえ,私は竹田氏が今回のような発言をしたこと自体,あまり評価はしていま