2012年11月26日月曜日

こんな挙動の教員がいる大学は危ない

前回の記事では,ホームページから大学の危険度を判別する方法を紹介しました.
こんなホームページの大学は危ない

今回は,そういった大学を「教員」を通して判別できないか思案したものです.
当然,普通(むしろ優秀)な教員にも関わらず,以下にあてはまる場合もありますが,それはそれ.
あくまで参考程度にお願いします.

「こんな挙動の教員・・・」ということですが,いわゆる「挙動不審」という意味ではありません.あくまで「振る舞い」「行動」としての挙動であります.
大学教員なのに,こんなことをしている教員が “多数いる” 大学は先が無いと考えてよいでしょう.

誤解してほしくないのは,教員本人は至って良心的な場合もありますが,大学としての状況が “そのような挙動” を生んでいることが多々あります.
嫌々ながらにも,やらねばならぬ状況というものがある.これまでにも,そういう大学の先生をいろいろ見てきました.

以下のような教員は,どの大学にも極少数は生息しているものですが,その数が多い場合は危険な大学です.
だいたい10名当たりに1名くらいは,以下のような教員がいても良いのかもしれません.
ところが,5名当たりに1名くらいになってくると,だいぶ黄色信号です.
場合によっては,過半数を以下のような教員が占める大学もあります.
そうなるとブラック大学を通り過ぎて,もはや大学ではありません.

今回は,大学生に向けて書いております.
自分とこの大学については,内部にいたら分からないものです.
これから大学を目指している高校生が,先輩の大学生に聞いてみるのもいいかもしれません.ブラック大学を判別できるかもしれませんね.
自分とこの大学の先生,以下のような人が多くないですか?

では,
チェックリストは以下のようなものです.
(1) 就職斡旋が積極的
(2) やたら「実践!」「現場!」と叫んでる
(3) 「コミュニケーション能力」をつけさせようとしている
(4) オープンキャンパスによく出る
(5) 高校訪問(営業)によく行く
(6) バスを運転している
(7) 学生寮の巡回に出ている
(8) 1〜2年生の学生にウケが良い


(1) 就職斡旋が積極的
前回の記事でも紹介しましたが,弱い危ない大学ほど就職率を気にします.
そんなわけで,就職率を高めるために教員も介入して来ることになるのですが,それが行き過ぎて「仕事を紹介してやるから」と口走っていたらアウトです.
場合によっては,「ゼミ選び(専門演習選び)」の際にも「オレのところに来たら就職に有利だよ」なんて言い出す教員もいたりします.
これは,ゼミの人気(配属学生の人数)が「教員評価」につながっている大学であるパターンが考えられます.
ゼミの人気度で教員が評価されているような大学は終わっています.

(2) やたら「実践!」「現場!」と叫んでる
上記の続きとして,就職させたいもんだから,「実践が大事」というパターン.
もしくは,そもそも学術的な教育ができないからってんで,仕方なく自分の取り柄である「実践」を叫んでいたり,「現場ではこんなんじゃ通用しないぞ」と言うしか能がない教員のパターンです.
なら大学教員をやらなきゃいいのですが,そういう大味で声がデカイ教員を雇ってなきゃいけない大学である,という意味で危険なのです.

(3) 「コミュニケーション能力」をつけさせようとしている
これも就職につながっていますね.
以前の記事でも紹介しておりますが,「コミュニケーション能力」などという,「教えられないもの」を教えようとする教員です.
最近は学生の側からもこの「コミュニケーション能力」を教えてくれという雰囲気も出てきているから世も末です.この国はどうしちゃったんでしょうか?
オルテガも言う
与えることも,要求することもできないものを,与えるふりをし,要求するふりをするがごとき制度は,虚偽の道徳を乱す制度である.
という,大学がやってはいけないことの一つだと私は考えています.
教員としても教えられないわけですから,「言うだけ」です.
あとは勝手に学生が成長してくれるのですが,それをもって「教えた」ってことにするからタチの悪い教員です.

(4) オープンキャンパスによく出る
これは高校生でも判別できるチャンスがあるかと思います.
普通,オープンキャンパスに教員はあまり出ません.出たがりません.
世間の人が思うほど大学教員という仕事は暇じゃないので,本来なら,そんなところに出て営業活動している時間はないのです.ところが “いる”.
オープンキャンパスの様子を眺めてみましょう.
もし,ゾロゾロとたくさんの教員が「出陣」しているとしたら,その大学はオープンキャンパスに “懸けています”.
きっと入試課や学長あたりから,各教員に向けて「大学の興廃,この一戦にあり」との入電がある大学です.もしくは,「大学は各員がその義務を尽くすことを期待する」とか.
開場前には,一堂に会して「挨拶」と称する「結束式」をやっているかもしれません.よく見るとZ旗を揚げているかもしれませんよ.
オープンキャンパスで教員らしき人を10人以上見かけたら,結構な力の入れ具合ですので,目安にしてください.

(5) 高校訪問(営業)によく行く
オープンキャンパスと似ていますが,最近の危ない大学はよく「営業」に行きます.
特に,直接高校に出向いて大学を売り込みます.
通常であれば,入試課や広報などの職員が担当する仕事なのですが,最近は人海戦術ということで,教員も駆出して営業する大学も増えてきました.
「教員も力を入れております」というアピールも含んでいるつもりですが,逆に言えば危ない大学であることを示しているわけです.
ところによっては,学長がまわっている大学もあります.
年に1回行くっていうのであれば,外回り体験程度なのかもしれません.
ところが,自分とこの先生が年に何回も高校訪問にまわっているとしたら,少し疑いましょう.

(6) バスを運転している
内部の学生からすると,高校の延長の気分だからってんで,こういう状態であっても気にしないのかもしれませんね.
でも,大学教員が行事やクラブ活動等でバスを運転しているとすれば,そこは大いにブラックな大学です.
普通ありえませんから.
明日から,その先生を労ってあげましょう.きっと喜ばれます.

(7) 学生寮の巡回に出ている
これもバスの運転と似たようなものです.
「教育だから」とか理由をつけて,教員が学生寮の管理や巡回もやっている大学は危険極まりない状態にあります.
内部の学生からしたら普通のことになっているのでしょうが,そこで行なわれている教育は大学の教育,すなわち「高等教育」ではないかもしれませんよ.
すっかり大学に来たつもりになっているのであれば,一念発起して “なにか” した方が良いと思います.

(8) 1〜2年生の学生にウケが良い
要は,上記で紹介した教員の総合版といったところでしょうか.
やたらと調子の良い事をいったり,分かりやすく授業をやったり,大学生活のアドバイスをしてくれたり.
学園祭にも積極的に介入してくるというパターンもあります.
つまり,教員本人は至ってコミュニケーション能力があり,アクティブで学生目線なわけですね.
学生生活に不安をかかえる1年生や,まだ学生生活とはなんたるかを感じ取れていない2年生からはウケが良いわけです.
ところが,こういう教員は幼稚園や小学校ならまだしも,大学にはたくさん必要ありません.
各大学に1〜2名でいい.名物教員として転がっといてもらうだけで良いんです.害は少なくて済みます.
ところが,こういう教員がたくさんいる大学が増えてきました.
なぜかと言うと,そういう「学生ウケが良い教員」を求める大学が増えてきたからです.
反・大学改革論
とそのシリーズでも書きましたが,高等教育とか学問の探求よりも,学生の評判で大学経営をするようになってしまったからです.
「学生からの評判が良い」というのは,かなり強力な武器になります.
「教育」ですからね.世間では “これこそが大事” だとも思われている評価対象です.
しかしながら,こういう学生ウケの良い教員ですが,特に注意してみて頂きたいのは,「1〜2年生の学生に」というところです.全学年(プラス院生にも)に人気なのであれば,それはそれで優れた教員ですのでご注意を.
この教員は3〜4年生と,年を追うごとに評判が下がって来るのが特徴であります.
なぜなら,さすがにその年次になってくると,「学問」に目覚めてくる学生が多くなってくるからです.
その時になっても,「現場!」「コミュニケーション!」「就職!」と叫ぶしかない教員は,徐々に学生からは見放されていきます.
※もちろん,そういうところが大事だと考えている学生は付いてきますが.
こういうのは,3・4年生の話を聞いていると分かってくることです.
先輩の話はしっかり聞くものです.


そんなわけで,上記のような教員を学内で探してみましょう.
私の感覚でつくった勝手な目安ですが,だいたい教員5名当たりに1名くらい存在していると,その大学からは危険な香りがしております.
過半数を占めてくると,あなたの思っている以上に,その大学では大学教育がされていない可能性もあります.

そんな時は,他大学に通っている友達と勉強の話をしてみましょう.
至って勉強は頑張っているつもりだった.
面白い授業をしてくれる教員がいて幸運だった.
将来の希望を指し示してくれる教員が側にいてくれる.
そんなこれまでの学生生活の印象が,一気に変わるかもしれません.

愕然とした場合はどうすればいいのか?
諦めるしかないのか?
それについてはまた後日記事にします.

ということで,記事にしました.
危ない大学に入学してしまったとき

※さらに後日,
こんなパンフレットの大学は危ない
というのを書きました.

※そのあと,奉職した大学が「危ない大学」だった場合の対策も書きました.
危ない大学に奉職してしまったとき「スパイ対策法」
危ない大学に奉職してしまったとき「イベント企画対策」
危ない大学に奉職してしまったとき「高校訪問対策」
危ない大学に奉職してしまったとき「教員評価制度対策」
危ない大学に奉職してしまったとき「新学部・学科名の候補を出せと言われたとき対策」
危ない大学に奉職してしまったとき「授業評価アンケート対策」
危ない大学に奉職してしまったとき「本気の高校訪問対策」