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卒論が終わったので紀要を書いてみた

「データがあれば,卒論は1日で書ける」
と豪語(豪語とは思えないが)している私.
卒論学生からは「なら書いてみてくださいよ.無理っすよ」と言われますが,本当にそうなんだから仕方がない.

これは大学院生くらいになったらわかってくれると思います.
学部の卒論って,そんなもんですよね.

でも実際.それに近いことを年に1回はやっておかないと感覚が鈍ってしまいます.
年に何回か全力ダッシュしておかないと,全力ダッシュの仕方を忘れてしまうでしょ.
アレに近いものです.

ということで今日は, “データがあったので”,論文を一つ書いておきました.

論文といっても大学内で発行される “紀要” という大学教員のレポートみたいなやつです.
事実上,学術的価値の高い論文とは言えない代物.

このブログをまとめて出した方が価値があるんではないかと思うくらい.

ならなんで書いてるのか,って?
それは紀要の一つか二つ,書いといてあげないといけない政治的理由があるからです.
できれば一般的な学術雑誌への投稿だけに絞りたいのですが,書ける余裕があるのであれば書きなさい,という雰囲気と言いましょうか.
まぁ,これは大学によって区々だと思います.

どーでもいいデータでもありますし,一日がんばれば書けることは事実ですし.
これで今年の仕事は最後と思い,いっちょ気合いを入れて書いたろっ,と.
これで上の方々も御喜びになられるでしょう.

大きく分野分けすれば私,生理・医学系なんでしょうけど,この分野の論文はデータを分析して結論(紀要論文的に言えば「落としどころ」とか,時間と相談して妥協した結論に近い「何か」)を決めてしまえば,それに沿って書いていくことになるので,けっこう早く書けちゃうものです.

本格的に書こうと思ったら,結論をきっちり吟味しなければいけないので,ここに時間がかかります.解釈に間違いがないかいろいろな視点からまさしく考察しますし,先行研究などの文献にしっかりあたるなど,慎重になります.

そのへん紀要は,大学の宣伝めいたことや気の利いたジョークを交えつつ,ざっくばらんに「Ⅴ.結論..カクカクシカジカ」と書くことができます.
自分で書いてて「うわー,テーキトー...」
と笑いが込み上げてくるものです.

大学教員によっては,この「紀要」が主戦場という人もいますが,なかなか...うん,ナイスですね.
なかには一切論文も書籍も書かない人がいますしね.
人生いろいろ,教員もいろいろ,でいいんではないでしょうか.

実際,論文を書いているからといって「良い大学教員」というわけではないでしょうし.
でも,論文を “書けない” のは大学教員としてはどうかと思いますから,「書けるけど書かない」という設定ではいてほしいものですね.

「大きな論文をドーンと出すからな!」
と言い続けている教員がいますが,そろそろ痛い感じになってきています.
「紀要で100ページくらいにするゾ!」
と言ってるんですが,規定には「50ページ以内」と書かれているんですけどね.読んでないでしょ.
それにその “大きな論文” とやらが紀要て...

「凄いですねっ.期待してます!」
と返し続けるのも虚しくなってきました.


さて,
明日から故郷に帰ってきます.
あの世界遺産よりも素朴で懐かしい,味のある場所です.

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