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Chain of Survival (救命の鎖)

今回も私がプレゼンに使っている画像を用意しました.

アメリカ心臓協会(AHA)ガイドライン2010で紹介されている「救命の鎖」です.救命の連鎖とも呼ばれます.
ググッてみたところ, “救命の連鎖” のほうが “救命の鎖” よりも検索画像数が多いようですね.Chain of Survivalにしたら,さすがにいろいろな画像がたくさん出てきます.

でも,世間に出回っているものの中にはクールな救命の連鎖の画像がないもので,結局,AHAガイドライン2010に掲載されているものを使っています.
「救命の連鎖」自体も新しくなっていますし,ちょうどいいのではないでしょうか.

このガイドライン2010に掲載されている画像もググれば出てきます.なのでちょっと差別化せにゃイカンなぁと思いましたので,オリジナルのものに手を加えました.
プレゼンの時に使いやすいよう,「通報」「CPR」「AED」「二次的救命処置」「心停止後ケア」をそれぞれランプのように示す画像にしています.


このAHAガイドライン2010では,救命の連鎖も新しくなりましたが,救命方法も新しくなっています.
救命の連鎖については,「心停止後ケア」という5つめの鎖が今回から登場しています.
一つずつ紹介していきますと,



「通報」
異常な人を見つけたら通報しなさい,という意味です.
反応がない人の場合は救急車,
理性がない人の場合は警察です.









「CPR」
通報したら,すぐさまCPRに移りましょう.
そして,今回のガイドライン2010で大きく変更されているのがこの「CPR」の手順です.
以前は,
1.気道確保 (Airway)
2.人工呼吸 (Breathing)
3.胸骨圧迫 (Circulation)
という順番でした.
それぞれの英語表記の頭文字をとってA―B―Cというふうに習った人も多いはずです.

それが2010年のガイドラインからは
1.胸骨圧迫
2.気道確保
3.人工呼吸
というC―A―Bという流れになりました.

「最近は心臓マッサージとは言わないんですね」という感想を持ちつつも,胸骨圧迫をまず第一に行ないます.
なぜこの順番になったのかというと,端折って言うと3つの理由です.
1.気道確保や人工呼吸が非常に難しい技術だから
2.見知らぬ他人とのマウス・トゥ・マウスを嫌う人が多いから
3.胸骨圧迫が重要

AとBから始まるということで,「まずは人工呼吸」というところで引いちゃう人が多く,助かる命も助からないケースも考えられます.

「AまではいけてもBはちょっと」ということになってCまで行かずに放ったらかしではダメです.
「CにいくにはAから順番に」などと,かたいこと言わずCからいってくれ,ということなのです.
なんだかイヤラしい話をしているようにも聞こえますが,実際にはAとBをやらなくてもCの胸骨圧迫だけで助かるケースもあるのだとか.

息を止めても,心臓が動いていれば一定時間生きていられます.そういうことです.
なので胸骨圧迫が重要なのです.

あと,あれだけ練習した心拍・脈の確認もなくなりました.これも,素人には難しい技術ですし,ムダな時間を食うということで削除です.
呼吸をしていないことを確認できたら,すぐさま胸骨圧迫とのこと.

胸骨圧迫のテンポも毎分100回という縛りを取り,毎分100回以上とアバウトになっています.
圧迫の深さも4~5cmという匠の技を必要としそうなものから,5cm以上とざっくりになっています.

素人目線のCPRに変わっているというわけですね.








「AED」
あるなら持ってきて.ということです.
これは特に変わっていません.









「二次的救命処置」
救急隊への引き継ぎです.
そのためにも,「通報」のスピードが大事です.








「心停止後ケア」
今回から追加された5つめの鎖です.
ですが,特に一般市民である私たちが気をつけなければならないことではなく,搬送された病院などで努力するべきこととして明文化されたもののようです.
心拍が再開しても,搬送された病院で死んでしまう人が少なくありません.
可能であれば,低体温療法や冠動脈インターベンションを行ないましょう,ということだそうですが,専門でない私にはコトの詳細は不明です.

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