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将来の教育像



最近は梅田望夫・ 飯吉透 著 『ウェブで学ぶーオープンエデュケーションと知の革命』を就寝前に読むようにしていまして.
読み始めたらすぐに寝ていたので,全体を把握するのに時間がかかっていました.
非常に面白い視座が書かれている本です.

要は,
“これからはインターネットを通じた教育や学習がメインになる時代”
ということを丁寧に解説した対談本.
漠然と,「これからはネットの時代や〜!」と知ったかぶりしているわけではないので有益です.

特に関心があったのは,発展途上国ではインターネットによる学習がその国の高等教育を変える,というもの.
途上国には大学はあるものの,そこでは満足な高等教育が施されていないのだそうで,それを打開できる可能性があるのはMITやハーバードといった大学が提供する教材や講義ビデオなどです.

iTunesUにもアップされているとのことで,私も見てみました.
たしかに,こうした教材や講義ビデオには利用価値はあるかな,と感じました.

また,インターネット上だけで開講された授業,課題・テストを駆使するウェブ大学にもその可能性が秘められています.
日本にもサイバー大学というのがあります.
アメリカでは,ネット上でのやり取りだけの大学もだいぶ認知されてきたようですし,その卒業生も活躍できているそうです.

途上国としても,わざわざ国内のどこかに敷地を用意して大規模な設備を建て,多数の教員を招集しなくても,学生をさばく事務所とサーバーがあれば高等教育機関を開設できることは大きなメリットです.

テキストはどうするんだ?という問題も,ネットで解決する日も近いのです.
書籍のデジタル化はホットな話題ですし,iPadやキンドルといったデジタル書籍のハードもこれから整いつつあります.

我々としてもPDFとして論文が出回ることによる恩恵は十分承知していることです.
さらに,今日のCNNニュースでは
『「死海文書」をデジタル化,ネット上で全編公開へ』
というのが取り上げられていました.
“しかいもんじょ”と読みます.ユダヤ教や原始キリスト教を研究する上で重要な人類の宝ですが,その貴重な存在故になかなか表に出てこない逸品です.

一回しっかりデジタル化してしまえば,あとはネット上にオープンに公開して研究や教材として自由に利用できるということです.
凄い時代になりました.チョッと前のSFの世界ですね.

こうした取り組みは,他の分野にも波及していくでしょう.
私たちスポーツ科学としても,例えば一流スプリンターや野球選手,サッカー選手の動作をスロー映像としてアップしていくのもアリですね.
最近はそんな映像を撮るのもアップするのも苦ではなくなってきました.

“アップはしとくから利用は自由に” というスタイルがネット上で広まることの現実性が見えてきました.
これからのWebによるオープンエデュケーションの可能性を感じます.