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眩しい流儀


先日,久しぶりに前任校の方々と飲み会をしました.

離れてみて思うんですけど,この大学,そしてこのメンバーの飲み会は無茶なことをしているようで配慮があるのです.

他の飲み会ではこうはいきません.
無茶をするだけだったり,配慮するだけの上っ面の飲み会になるのです.

ひたすら面白さだけを優先してバカ騒ぎしたり,名刺交換的なコミュニケーションといった飲み会には無い,有機的な協奏があります.
一人ひとりが楽しめるように互いを気遣いつつ,ボケとツッコミを交える様子は感動モノです.

「コミュニケーションをとるために【飲み会】を」
という短絡的な発想があります.
最近は,「やっぱり昔ながらの【飲みニケーション】が大切だった」,だから 「社をあげて【飲み会】を推奨」なんていう趣旨の話を聞きますが,やり方と集まるメンツ次第というところもあるでしょう.

そこらへん,この会の中心になっている某教授の人柄がでているような気がします.
そういうメンバーが多数で構成されているんです.類は友を呼ぶといいますから.

実はこの会の前日にも,この大学出身のメンツが集まる飲み会が別の場所でありました.
人数は少なかったですしハイテンションに騒ぎはしませんが,同じような空気が流れていました.
無理に楽しもうとしなくても,結果的に楽しめる場をつくることが大事ですね.


ところで,この2つの飲み会メンバーに少しだけ関連がある人物の著作を紹介しておきましょう.
祖母井秀隆 著 『「監督を決める」仕事』
名前は「うばがい」と読みます.
この人の能力や人柄,エピソードについては,かつて氏の同僚であった例の飲み会の中心である某教授からたくさん聞いていました.
今ではフランス・グルノーブルでサッカーチームの代表代行とGMをやっている方です.

スポーツをテーマに仕事をしている人にとっては,とても励まされる一冊.オススメです.
コーチングや教育理念,経営哲学に富み,氏の仕事の流儀が汲み取れます(※実際,NHK「仕事の流儀」に出演していた).

仕事に大事なのは信頼関係とそれを築くコミュニケーション.薄っぺらいコミュニケーションでは人は動かせないとのこと.

はっきり言って,氏は強豪チームや巨大会社を作る力を持っているわけではなさそうですし,自身が 「そういうつもりで働いているのではない」 と明言しています.
でも,関わったチームや組織は確実に 「価値」 が上がっているのです.

勝利や観客動員といったものは当然のこととして,それ以上に,チームや組織の 「価値」 を上げる指導・経営.

私だったらどのようにすればいいのだろうか?
そういう視点で読み進めることができます.そして元気がもらえます.
とは言え,簡単には真似できない眩しい仕事の流儀です.