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当たり前のこと


昨日,民主政権が 「我が国の経済が緩やかなデフレに向かっている」 という発表をしました.
デフレ(デフレーションdeflation)というのは物価が下がる経済状態のことをいいます.
デフレ経済では 「デフレスパイラル」,つまり,物価が下がることで売り上げが下がり,それが収入(給料)の低下を生むことで消費が下がり,これに応じてさらに物価が下がる,という現象を生む恐れが指摘されています.

当たり前のことですが,民主党の経済政策では暗黒の時代が来ることは自明のことです.
目先のことだけの政策ですので,将来性がないのです.
行政刷新会議の事業仕分けが良い例です.

実際のところ,必要の無い事業も多く,政官癒着や天下りを抑えるという意味では有益ですので,やってること自体は悪くないのですが.
いかんせん新政権のパフォーマンスである部分が大きいですし, 「無駄な赤字」 と 「必要な赤字」 の区別がつかないバカが仕分け人をやっていることが致命的な悪夢なのです.

経費削減という “デフレ” を実施している政策ですので,その延長線上で日本経済がデフレに向かうのは当たり前のことです.でも,これをメディアは報道しません.


ただ,先のブログ記事でも取り上げた長谷川慶太郎氏がかなり以前から述べているように,日本,そして世界の経済はデフレの方向に向かうことは避けられず,むしろデフレ状態が普通になることが予想されています.
世界規模の大戦が発生しない現代では,経済はゆるやかな物価下落をまぬがれることはありません.
※これは,大規模な戦争がなければ軍事費の捻出が不可能であるため,経済は必然として不活性化することに起因する.アメリカがいろいろな国に戦争をふっかけるのは,経済の活性化を促したいからである.事実,戦争をした後はアメリカの経済状態は良好になる.

このため,一時的なインフレや物価高騰は起こっても,最終的にはデフレ経済に向かうことは,よくよく考えてみれば当たり前のことです.
長谷川氏は,これからはデフレ経済に慣れる必要がある時代と述べており,デフレを早い時期から経験している日本は,経済において世界をリードする可能性が高いとも予測しています.
『大局を読む』,『経済頭脳を持っているか』,『世界デフレで甦る日本』,田原総一朗共著『日本の大逆襲』といった著書において一貫して主張しています.


だいたいが,今の30代中頃以上の日本人が想い描く 「景気のいい状態」 というのは,1980〜1990年にかけてのバブル時代のことです.
残念ながら,バブルは夢物語です.
まともに経済を論ずれば,バブル経済は二度とやってきません.第三次世界大戦でも起きない限りは・・.

麻薬と一緒で,一度バブル経済の味を占めた我々よりも上の世代の方々は,これからも一生バブルを追いかけ夢見て生きて行くのでしょう.
彼らにとって現在の経済は,それこそ薬物中毒者がクスリが切れた状態のようには苦しいのでしょう.
あの時代に戻りたい,あの心地良かった生活をもう一度と.
そういった意味において,そんな時代を知らない我々はむしろ幸せなのかもしれません.

今の若者は,将来に希望を描けない.元気が無い.野心が無い.夢を持っていない.地味.などと評されますが,私からすれば “まともに生きて行こうとしている” と評したいものです.

いつまでもバブル経済を追いかけ,無駄な努力に勤しみ苦しむ先輩方をみると可哀想に見えますので.

ブッダの言葉です.
たとえ貨幣の雨を降らすとも,欲望が満たされることはない.
快楽の味は短く,苦痛であると知るのが賢者である.

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