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決戦前夜


村上春樹 著『ダンス・ダンス・ダンス』 を読み終わりました.
他にもいろいろと読んできましたが,この作家は「別の世界」をテーマに掲げるものが多いように思います.
全部読んでいるわけではないので “多い” という表現が適切かどうかはわかりませんが,『1Q84』や『海辺のカフカ』は直接的ですし,『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』や『神の子どもたちはみな踊る』もそんなニュアンスが強く,その他の作品でもこうした「別の世界」を取り上げることがあります.

日常に潜む裏の世界.それは危険な匂い,恐怖の匂いがするとともに,いい知れぬ好奇心をもかきたてるもの.
入ったら出口を見つけることはできず,出るためには命を賭する覚悟が必要なもの.

カルト教団への入信や覚醒剤の使用にも通じる何か.人間の内外に存在するこうした「別の世界」を表現しているように感じます.


今日は朝から昼過ぎまで実験の被験者をやってきました.
前回(先週)やったときは,死ぬんじゃないかと思うほど全身を冷却させられましたが,今回は,死ぬんじゃないかと思うほど 「眠気」 と 「ストレスの無い状態」 と戦うハメになりまして.
こんなにも「適温環境で何もしない」ことが苦痛であることを初めて体感しました.
以前からこういうことは聞いたことがありますが,実際に体感すると 「ストレスの無い状態」 の苦しさがわかります.

自宅に帰って「ダンス・ダンス・ダンス」 を読んでいましたら,途中で気絶するように眠ってしまい,起きたら外が薄暗くなってて混乱し,うろたえている自分.
時間感覚がなくなって,それこそ 「別の世界」 に入ってしまったような気分.

昼間っから寝られるのは幸福の至りだと思っています.こういう機会も大事にしなくてはいけません.

世間では寝る間も惜しんで選挙活動が続いております.
いよいよ明日が決戦です.
自民か民主か?こういう図式,つまり2大政党制のような選挙になるのは民主主義制度をおく国としては非常に健全かつ円熟してきた状態だと思います.
同じ政党がずっと権力を握り続ける状態が良い状態であるような状態は避けなくてはならないと考えておりますので.

そろそろ自民党以外の大政党に政権を担ってもらい,自民党以外が国の舵取りをやるとどうなるか,国民が身をもって知らなければなりません.多少の犠牲は必要です.

私が今回の選挙,そして選挙後に危惧しているのが以下のこと.
・民主党が社民党と連立することによる必要以上の犠牲
・社民党との連立による民主党の議席数の低下
・負けた自民党が分裂することによる次期選挙への影響
・小政党が微妙に議席数を増やしてしまうこと

日本の政治家は国益を考えずに偽善活動と目立つことばかり考えますので,大きな政党に入って地道に国を良くすることを考えません.
なにより “他者・他党と同じイデオロギーを主張する” ことを嫌います.
政策や運営方法で勝負しようとせず,根本的な政治観から意見を違わそうとします.
現実的に国家・国民のことを考えるのではなく,あくまで “自分の思想を実現しようとする” のです.

ですから,他の党よりもより良い政策を考えて次の選挙をうかがおうとはせず,「我こそは」とばかりにまた小政党つくって名を挙げようとするバカが出てくるはずです.
こういう奴のうたい文句はきっと「この党に所属していると私の信念を曲げなくてはならないことが多い」 とか言い出すのでしょう.

そしてその状況をメディアは肯定的かつ好意的に報じるはず.メディアが政治について正しく報道をしたことはただの一度もありませんので騙されないように.

選挙後にこういった行動をとる政治家(特に自民党内)は誰か?
国民としては注意して見ておかねばなりません.